「添付の資料をご確認ください」──これを英語にしようとして、confirm で手が止まる。
日本語のビジネスメールは、この一言でほとんどの場面をまたげます。
添付を送るときも、日程を決めるときも、稟議を上げるときも、末尾に「ご確認ください」を置けば成立してしまうからです。
英語には、その一言がありません。
- 「Please confirm.」と書いておけば通じるのか
- check と confirm は、どちらが「確認」なのか
- 添付を送るときは「Please see attached.」でよいのか
この記事では、英英の辞書項目と、英国政府・Microsoft が公開している文章ガイドの記述だけを根拠に、置き換え方を整理しました。
先に結論を書きます。
- 「ご確認ください」に1対1で対応する英語はありません
- 理由は、この日本語が相手にさせたい動作を名指ししないまま成立する表現だからです
- 英語は動作の種類で語が変わるので、まず「相手に何をしてほしいのか」を1つ決めます
- 分かれ方は4つ=目を通す(review/look over)・突き合わせる(check)・正しいと返事をもらう(confirm)・承認する(approve)
- 「Please confirm.」を万能の定型として置くのは、いちばん外れやすい書き方です
「ご確認ください」の英語が1語に決まらないのは、日本語が動作を言っていないからです
最初に、いちばん大事なところから答えます。
「ご確認ください」は、相手にしてほしい動作を名指ししていません。
読んでほしいのか、数字を突き合わせてほしいのか、合っているという返事がほしいのか、判子を押してほしいのか、日本語の側では区別しなくて済みます。
英語の動詞は、そこを区別します。
だから和英辞典で1語を探しても、正解がひとつに定まりません。
「ご確認ください」の英語を選ぶ前に決める、4つの動作
英語を探す前に、この表の左の列を1つだけ選んでください。
| 相手にさせたい動作 | 日本語で言い直すと | 英語の中心になる語 |
|---|---|---|
| ① 目を通す | 「ひととおり読んでおいてください」 | review/look over |
| ② 突き合わせる | 「間違いがないか見てください」 | check |
| ③ 正しいと返事をもらう | 「これで合っているか教えてください」 | confirm |
| ④ 承認する | 「これで進めてよいか決めてください」 | approve |
左を決めれば、右は自動的に決まります。
逆に、左を決めないまま右を探すから、いつまでも「ご確認ください」の英語が見つかりません。
「ご確認ください」を辞書で引くと、語義そのものがばらける
日本の学習者がまず思い浮かべる confirm を、Cambridge Dictionary の confirm の項で引くと、動詞の語義が別々の見出しに割れています。
ひとつは「MAKE CERTAIN(確定させる)」、もうひとつは「PROVE TRUE(真だと証明する)」という、別の働きです。
to make an arrangement or meeting certain, often by phone or writing
to prove that a belief or an opinion that was previously not completely certain is true
どちらの語義にも、「書類に目を通す」という意味は入っていません。
つまり confirm は、最初から「読んでください」を担当していない語です。
ここが、日本語の「ご確認ください」を confirm で置き換えたときに意味がずれる出発点になります。
「ご確認ください」が「目を通してほしい」なら、英語は review か look over です
いちばん件数が多いのは、この①です。
資料・議事録・見積書を送って「読んでおいてください」と言いたい場面が、日本語の「ご確認ください」の大半を占めます。
review が「ご確認ください」の主役になる根拠
Oxford Learner’s Dictionaries の review(動詞)の項には、書類を相手に渡す場面にそのまま当たる語義が2つ立っています。
to check a piece of work to see if there are any mistakes
to read or study information about something, especially in order to reach an opinion about it
同じ項目には「to review records/documents/data」という形も並んでいます。
記録・書類・データを目的語に取る形が辞書に載っている=ビジネス文書の「ご確認ください」に、そのまま入る語だということです。
Cambridge Dictionary の review の項は、さらに「考え直す」側の語義を立てています。
to think or talk about something again, in order to make changes to it or to make a decision about it
ここに make changes(変更する)と make a decision(決める)が入っている点が重要です。
review は、読むだけでなく「読んだうえで直す・決める」までを含みうる語だからです。
だから「Could you review the attached deck?」は、日本語の「ご確認ください」がいちばん近い形で収まる言い方になります。
「ご確認ください」が軽い依頼なら look over に落とす
相手に重い作業をさせたくないときは、review より look over が合います。
Cambridge Dictionary の look over の項と、Longman の look over の項は、どちらも「速さ」を語義に書き込んでいます。
to quickly examine something
to examine something or someone quickly, without paying much attention to detail
Longman の「without paying much attention to detail」が、この語の性格をそのまま言っています。
つまり look over は、細部まで詰めない「ざっと見」の依頼です。
Cambridge の例文には「Would you quickly look over these figures for me and see if there are any obvious mistakes?」が載っています。
Longman の例文は「Do you have a few minutes to look these samples over?」です。
どちらも「少しだけ時間をください」という前置きと一緒に使われていて、依頼の重さが軽い側に振れています。
- 提案書・契約書を精査してほしい → review
- 誤字や桁だけ見てほしい → look over
- 目上・社外で、依頼を軽く見せたくない → review を選ぶ
「ご確認ください」が「突き合わせてほしい」なら、英語は check です
②の check は、「間違いがないか」に特化した語です。
Cambridge Dictionary の check の項は、最初の語義(EXAMINE)をこう書いています。
to make certain that something or someone is correct, safe, or suitable by examining it, him, or her quickly
correct(正しい)・safe(安全)・suitable(適切)という3つの基準が、語義の中に明示されています。
「ご確認ください」の英語で check と examine を混ぜない
Oxford Learner’s Dictionaries の check(動詞)の項には、check・examine・inspect・go over を並べた語法の注記が付いています。
その注記に、使い分けの決定的な1行があります。
All these words can be used when you are looking for possible problems, but of these three words only check is used for mistakes
「間違い(mistakes)」を相手にさせたいなら check しかない、と辞書が名指ししているわけです。
同じ注記は、examine は原因を探すとき、inspect は公的な立場の人が見るときに寄ると説明しています。
だから社外への「ご確認ください」に examine や inspect を当てると、監査や検品のような重い響きになります。
「ご確認ください」が照合なら check A against B を使う
「前回分と合っているか見てほしい」という照合は、前置詞で表せます。
Oxford の check の項には「I’ll need to check these figures against last year’s.」という例文が載っています。
Cambridge の同項には「check something for something」の形で、何を探して見るかを言う例も並んでいます。
| 言いたいこと | 英語の形 | 例 |
|---|---|---|
| 間違いがないか見てほしい | check A for B | Could you check the invoice for typos? |
| 別の資料と突き合わせてほしい | check A against B | Could you check these figures against last year’s? |
| 誰かに聞いて確かめてほしい | check with somebody | Could you check with Legal before we send it? |
| 合っているか教えてほしい | check whether/if | Could you check whether the date is right? |
Cambridge の check の項には「check with(=ask)」という注記もあり、人に当たって確かめる意味も語義に含まれています。
社内の「法務にご確認ください」は、この check with が最短です。
「ご確認ください」が「正しいと返事をほしい」なら、英語は confirm です
③の confirm は、「相手からの返事」が要る場面の語です。
Longman の confirm の項は、3番目の語義をこう書いています。
to tell someone that a possible arrangement, date, or situation is now definite or official
possible(まだ確定していない)ものを definite(確定)に変える、という動きが語義に書かれています。
だから confirm は、未確定のものが議題に乗っていないと空振りします。
「ご確認ください」に confirm を使う条件は「未確定の1点があること」
Oxford の confirm の項にも、同じ働きの例文があります。
Please write to confirm your reservation (= say that it is definite).
Has everyone confirmed (that) they’re coming?
どちらも「予約」「出席」という、まだ揺れている1点に向かっています。
逆に、50ページの提案書を送って「Please confirm.」と書くと、相手は何を確定させればよいのか分かりません。
confirm を使うときは、確定させたい1点を必ず後ろに置くのが条件になります。
- ✕ Please confirm.(何を確定させるのか無い)
- ○ Could you confirm the delivery date?
- ○ Could you confirm that the figures on page 3 are correct?
- ○ I’m writing to confirm our meeting on Thursday at 10.
「ご確認ください」の英語で confirm と verify を取り違えない
verify は、confirm の言い換えとして安全な語ではありません。
Cambridge Dictionary の verify の項は、この語を C1(上級)のラベル付きでこう説明しています。
to prove that something exists or is true, or to make certain that something is correct
同じ項目のビジネス英語の語義は「to check or prove that something is correct or true」で、例文は「States must verify applicants’ citizenship status.」です。
つまり verify は、証拠を持ち出して真偽を立証する側に寄った語です。
同僚に添付を見てもらうだけの「ご確認ください」に verify を当てると、身元審査のような硬さが出ます。
「ご確認ください」が「承認してほしい」なら、英語は approve です
④は、相手に決定権があるときだけ使う語です。
Cambridge Dictionary の approve の項は、AGREE の語義をこう書いています。
to accept, allow, or officially agree to something
Oxford Learner’s Dictionaries の approve の項は「to officially agree to a plan, request, etc.」とし、例文に「The committee unanimously approved the plan.」を挙げています。
どちらの語義にも officially(公式に)が入っているところが、review や check との決定的な差です。
「ご確認ください」に approve of を使うと意味が変わる
approve には、of を伴うまったく別の語義があります。
Cambridge の同じ項目で、HAVE A GOOD OPINION として立っているほうです。
to have a positive opinion of someone or something
She doesn’t approve of my friends.
of が付くと「よく思う・気に入る」という好き嫌いの話になります。
Oxford の項にも「Do you approve of my idea?」という例文が、be動詞なしの自動詞として載っています。
稟議を上げるつもりで「Could you approve of this?」と書くと、承認ではなく感想を求める文になります。
- ○ Could you approve the budget by Friday?(承認を求める)
- ✕ Could you approve of the budget by Friday?(好意的に思うかを聞いている)
- ○ This needs your approval before we can proceed.(名詞で逃げる形)
「ご確認ください」の英語でやりがちな4つの外し方
ここからは、語の選択ではなく「型」の事故です。
日本語の丁寧さをそのまま英語に持ち込むと、4つの決まった形で外れます。
① Please を丁寧さの記号として足す
英語圏の公的な文章ガイドは、please を減らす側に立っています。
英国政府の GOV.UK style guide(A to Z)の please の項には、1行だけこう書かれています。
There’s usually no need to say ‘please’ or ‘please note’.
Microsoft の Microsoft Style Guide の please の項は、使ってよい条件まで限定しています。
Avoid please except in situations where the customer is asked to do something inconvenient or the application or site is to blame for the situation.
「相手に面倒をかけるとき」と「こちらの不手際のとき」だけに絞れ、という指示です。
丁寧さは please ではなく、Could you … ? という疑問文の形で出します。
② Kindly confirm と書く
Cambridge Dictionary の kindly の項は、依頼に使う kindly に2つのラベルを付けています。
old-fashioned(古風)と formal(формal=硬い)です。
old-fashioned formal used when asking someone to do something, especially when you are annoyed with them but still want to be polite
語義そのものに「腹を立てているとき」と書かれています。
例文も「You are kindly requested to leave the building.」=建物から出ていってくださいという通告です。
丁寧にしたつもりの「Kindly confirm by tomorrow.」は、催促や苦情に読まれる可能性があります。
③ Please advise を「ご確認ください」の代わりに置く
Cambridge Dictionary の advise の項には、formal のラベル付きでこの語義が立っています。
to give someone official information about something
They were advised of their rights.
advise は「公式に知らせる」側の語で、「確認して返事をください」とは動作が違います。
権利の告知に使われる語であることが、例文から読み取れます。
「どうするか教えてください」なら、Let me know how you’d like to proceed. のほうが動作に合います。
④ Please see attached だけで終わらせる
Cambridge Dictionary の see の項で、動詞の語義は USE EYES・UNDERSTAND・MEET・CONSIDER・TRY TO DISCOVER・MAKE CERTAIN などに分かれています。
最初の語義(米語の項)は「to be aware of what is around you by using your eyes; look at something」です。
see が担当しているのは「目に入れる」までで、「中身を突き合わせて返事をする」は含まれていません。
だから「Please see attached.」は添付の場所を指すだけの一文になります。
相手に動いてほしいなら、see のあとに動作の語を1つ足すのが確実です。
- I’ve attached the revised quote. Could you review it before Thursday?
- The updated numbers are attached. Could you check them against the January file?
- Attached is the contract. Could you confirm that the company name is spelled correctly?
Microsoft の Top 10 tips for Microsoft style and voice も、同じ方向を指しています。
Lead with what’s most important.
Most of the time, start each statement with a verb.
動詞から始めろ=相手にさせたい動作を先に言え、ということです。
これは「ご確認ください」を英語にするときの手順そのものです。
「ご確認ください」の英語|場面別まとめ表
ここまでを1枚にします。
| 場面 | 相手にさせたい動作 | 英語 |
|---|---|---|
| 提案書を送って読んでほしい | 目を通す | Could you review the attached proposal? |
| 議事録を軽く見てほしい | ざっと見る | Could you look over the notes when you have a minute? |
| 請求書の誤字を見てほしい | 間違い探し | Could you check the invoice for typos? |
| 前年の数字と合わせてほしい | 照合 | Could you check these figures against last year’s? |
| 法務に聞いてほしい | 人に当たる | Could you check with Legal before we send it? |
| 日程を確定させたい | 返事をもらう | Could you confirm the date for Thursday’s call? |
| 記載が合っているか返事がほしい | 返事をもらう | Could you confirm that the address is correct? |
| 予算の承認がほしい | 承認 | Could you approve the budget by Friday? |
| 身元や資格を立証させたい | 立証 | We’ll need to verify your employment history. |
左の列から入れば、右は迷いません。
そして、どの行にも please は入っていません。
丁寧さは Could you … ? と期限の明示で出す、というのが英語圏のガイドから出てくる答えです。
「ご確認ください」の英語に関するよくある質問
Q. 「ご確認ください」の英語に、いちばん近い1語はありますか
1語を選ぶなら review です。
Oxford の review の項に「to read or study information about something」と「to review records/documents/data」が並んでいて、書類を渡す場面の守備範囲がいちばん広いからです。
ただし、承認が必要な稟議には届きません。
Q. 「ご確認ください」を Please confirm. と書くのは間違いですか
文法としては成立しますが、確定させたい対象が無いと機能しません。
Longman の語義が「a possible arrangement, date, or situation」を目的にしているとおり、confirm は未確定の1点を要求する語です。
確定させたい1点を後ろに置くだけで、この問題は消えます。
Q. 「ご確認ください」に double-check を使ってもよいですか
使えますが、意味は「もう一度見る」に寄ります。
Cambridge の check の項は、関連語として crosscheck と double-check を挙げています。
初回の確認を頼むときは check、すでに一度見たものを再確認してもらうときは double-check が自然です。
Q. 「ご確認ください」の英語で、期限はどう書きますか
曜日か日付を、動作の語と同じ文に入れます。
Microsoft の Top 10 tips は「Be brief」の項で「Prune every excess word.」と書いていて、前置きを削って要点を先に置くよう求めています。
「Could you review it by Thursday?」のように、動作と期限を1文にまとめるのが最短です。
「ご確認ください」の英語を調べるために読んだ出典
以下はすべて 2026-09-12 に本文を確認しました。
- Cambridge Dictionary|confirm(MAKE CERTAIN・PROVE TRUE の語義)
- Cambridge Dictionary|check(EXAMINE の語義・check with・関連語)
- Cambridge Dictionary|review(THINK AGAIN の語義)
- Cambridge Dictionary|approve(AGREE と HAVE A GOOD OPINION の語義)
- Cambridge Dictionary|verify(C1ラベルとビジネス英語の語義)
- Cambridge Dictionary|look over(quickly examine の語義)
- Cambridge Dictionary|kindly(old-fashioned formal のラベル)
- Cambridge Dictionary|advise(formal の「公式に知らせる」語義)
- Cambridge Dictionary|see(動詞の語義の分かれ方)
- Oxford Learner’s Dictionaries|review(verb)(mistakes を探す語義・records/documents/data)
- Oxford Learner’s Dictionaries|check(verb)(check・examine・inspect の語法注記)
- Oxford Learner’s Dictionaries|confirm(reservation を確定させる例文)
- Oxford Learner’s Dictionaries|approve(officially agree の語義・approve of)
- Longman Dictionary of Contemporary English|confirm(possible→definite の語義)
- Longman Dictionary of Contemporary English|look over(without paying much attention to detail)
- GOV.UK style guide|A to Z(please の項)
- Microsoft Style Guide|please(使用条件の限定)
- Microsoft Style Guide|Top 10 tips for Microsoft style and voice(Get to the point fast・Be brief・Revise weak writing)
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