「Let’s get started.」と言われた瞬間、次に自分が何を言えばいいのか分からなくなる。
英語の会議でつまずくのは、たいてい単語ではありません。
会議そのものの流れは、日本語でも英語でも変わらないからです。
始めて、議題を出して、意見を言って、賛否を確かめて、決めて、締める。
詰まるのは「その流れのどこで、どの言い方を出すのか」が決まっていないときです。
- 「始めましょう」は Let’s get started と Shall we begin のどちらを言えばいいのか
- 人の話の途中に入りたいとき、失礼にならない言い方はあるのか
- 決まったことを「誰の宿題か」まで含めて言い切る英語は何なのか
この記事では、英英辞典(Cambridge Dictionary・Oxford Learner’s Dictionaries・Longman)に載っている語義と formal / informal のラベル、そして英国政府の文章ガイド(GOV.UK style guide)の記述だけを根拠に、英語の会議のフレーズを進行順に並べ直しました。
先に結論を書きます。
- 英語の会議のフレーズは、丁寧さの順ではなく進行の8場面に1つずつ割り当てて覚えます
- Let’s get started は中立です。Cambridge は get started を「to begin」とだけ書き、formal も informal もラベルを付けていません
- Shall we begin は formal 側です。Cambridge は shall の「提案」の用法に formal のラベルを付けています
- 締めの adjourn は formal、wrap up は informal。同じ「終わらせる」でも辞書のラベルが正反対で、混ぜて使う語ではありません
- 動詞の table は英と米で意味が逆です。UK は「議題に出す」、US は「先送りする」。英語の会議でいちばん危ない1語です
- 割り込むのは jump in、発言を譲るのは go ahead。どちらも辞書に「会話をさえぎる」「許可を与える」とそのまま書かれている形です
- 決まったことは action item、持ち帰りの追いかけは follow up。会議の最後の3分で使う語はこの2つで足ります
英語の会議のフレーズは、丁寧さではなく進行の8場面で覚える
英語のフレーズ集にありがちな並べ方が「丁寧な順」です。
ただ、会議の最中に必要なのは丁寧さの順位ではありません。
いま進行がどこにいて、次に何をする番なのか。必要なのはその1点です。
つまり英語の会議のフレーズは、単語帳ではなく進行表の形で持っておくと使えます。
| 場面 | 会議での働き | 代表として持っておく英語 |
|---|---|---|
| ① 始める | 開始の合図を出す | Let’s get started. / Shall we begin? |
| ② 議題を示す | 今日扱う範囲を宣言する | agenda / Let’s move on to the next item |
| ③ 意見を言う | 自分の立場を出す | I think / In my view / From my perspective |
| ④ 割り込む・譲る | 発言権をやり取りする | May I jump in? / Go ahead. |
| ⑤ 賛成と反対 | 立場の差を確かめる | I agree with you on / I take your point, but |
| ⑥ 聞き返す | 聞き取れない箇所を戻す | Could you repeat that? / You’re breaking up. |
| ⑦ 決める・宿題を割る | 担当と期限を貼り付ける | action item / follow up on |
| ⑧ 締める | 会議を閉じる | Let’s wrap up. / adjourn |
英語の会議で辞書のラベルを先に見る
英英辞典は語義の前後に、その語の性格を短い札で書いています。
formal、informal、old-fashioned、spoken、mainly US といった表示がそれです。
この札を見ておけば、「丁寧に言ったつもりが砕けていた」「軽く言ったつもりが法廷の語だった」という事故は起きません。
この記事では、各フレーズにこの札を必ず添えて並べます。
英語の会議のフレーズを丸暗記しない
会議の英語は、長い決まり文句を覚えるほど出てこなくなります。
本番で口から出るのは、意味の核になる2〜3語だからです。
覚えるのは「get started」「agenda」「jump in」「wrap up」のような核の語で、前後の丁寧さは Could you / Shall we / May I の形で調整します。
英語の会議を始めるフレーズ|get started・shall we・commence の距離
まず開始の合図です。
Cambridge Dictionary は get started を phrase として立て、語義を「to begin」とだけ書いています。
そこに formal も informal も付いていません。つまり場を選ばない中立形です。
get started ── to begin: When can we get started?
(Cambridge Dictionary|get started)
結論=迷ったら Let’s get started. で問題ありません。社内会議でも取引先との会議でも同じ札です。
英語の会議で Shall we begin? が硬く響く理由
Shall we begin? は「提案」の shall です。
Cambridge は shall の SUGGEST の項に formal のラベルを置き、I か we を主語にして提案を作る形だと説明しています。
加えて米国英語の注記では、shall は主に formal な場面と法律文書で使われる、と書かれています。
つまり Shall we begin? は「そろそろよろしいでしょうか」に近い、一段かしこまった開始の合図です。
外部の相手が入る会議や、議長役として場を仕切るときに向きます。
英語の会議で commence と kick off はどちらも避けやすい
begin をさらに硬くしたのが commence です。
Cambridge は commence に formal のラベルを付け、レベルを C2 としています。
逆に砕けた側が kick off で、Cambridge はこちらに informal のラベルを付けて「to begin」と書いています。
日常の社内会議で commence を使うと式典の口調になり、社外の重い会議で kick off を使うと軽く聞こえます。開始の合図は get started と shall we の2枚で足ります。
| 開始の英語 | 辞書のラベル | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Let’s get started. | ラベルなし(中立) | 社内・社外を問わず使える標準形 |
| Shall we begin? | shall=formal(提案の用法) | 議長役・外部の相手が入る会議 |
| Shall we let the meeting commence? | commence=formal・C2 | 式典に近い場。日常の会議では重い |
| Let’s kick off. | kick off=informal | 気心の知れた社内の打ち合わせ |
英語の会議で議題を示すフレーズ|agenda は会議のときだけ使う
開始の合図の次は、今日扱う範囲の宣言です。
Cambridge は agenda の第一義を「会議で話し合う事項の一覧」とし、レベルを C1 としています。
Oxford Learner’s Dictionaries も同じく「会議で議論される項目の一覧」と説明しています。
そして Cambridge には、会議の進行でそのまま使える例文が並んでいます。
Perhaps we could move on to discuss the next item on the agenda.
Let’s move on, or we will not have time to cover everything on the agenda.
(Cambridge Dictionary|agenda の例文)
議題を進めるときの骨は move on to です。item on the agenda と組にして覚えると、そのまま1文になります。
英語の会議の最後に置く AOB という項目
英国式の議題表には、末尾に AOB という行が入ります。
Cambridge は AOB を UK のラベル付きで立項し、any other business の略で、会議で話す事項の一覧の最後に置かれるものだと書いています。
agenda の項にも「The agenda should include an item headed ‘Any other business’.」という例文があります。
日本語の議事次第でいう「その他」です。議題表を英語で作るなら、最後の1行はこれで締まります。
英語で agenda を会議以外に使うと意味がずれる
agenda には、会議の議題とは別の語義があります。
Cambridge は「秘密の目的や動機」という語義を立て、hidden agenda という組み合わせを載せています。
米国英語の項では、この「表に出さない行動計画」の語義に esp. disapproving(多くは非難の含み)という札が付いています。
英国政府の文章ガイド GOV.UK style guide も、この語を Words to avoid の一覧に入れています。
agenda (unless it’s for a meeting), use ‘plan’ instead
(GOV.UK style guide|A to Z of GOV.UK style/Words to avoid)
読み方は明快です。会議の議題として使うのは問題なく、それ以外の「方針」の意味で使うなら plan に置き換える、と政府のガイドが名指しで書いています。
社内の計画を英語で説明するときに our agenda と言うと、含みが出る場合があるということです。
英語の会議で意見を言うフレーズ|think・view・perspective の差
議題に入ったら、自分の立場を出す番が来ます。
ここで使う3つの形は、丁寧さではなく「どこから見た話か」で分かれます。
Cambridge は perspective の語義を「ものごとを見るときの特定の見方」とし、from a perspective という形を示しています。
つまり From my perspective は「私の立ち位置から見ると」であって、意見の強さを上げる語ではありません。
営業から見た話なのか、開発から見た話なのかを先に断るときに使う形です。
| 意見を出す英語 | 辞書が書いている中身 | 会議での使いどころ |
|---|---|---|
| I think … | もっとも普通の言い方。ラベルなし | どの場面でも置ける標準形 |
| In my view … | view=意見・考え方 | I think より少し据わりがよい書き言葉寄り |
| From my perspective … | perspective=ものごとを見る特定の見方(C1) | 「どの立場から見た話か」を先に断るとき |
| I propose that … | propose=検討してもらうために案を出す(B2) | 意見ではなく提案として出すとき |
英語の会議で案を出すなら propose の形
意見と提案は別の球です。
Cambridge は propose を「他の人に検討してもらうために、計画や行動の案を差し出す」と説明し、that 節を続ける形を載せています。
I propose that we wait until the budget has been announced before committing ourselves to any expenditure.
(Cambridge Dictionary|propose の例文)
I think は「私はこう思う」で止まりますが、I propose that は「ここまでを決めませんか」まで届きます。決を採りたいときは後者です。
同じ項には propose a motion(動議を出す)という組み合わせも載っています。
英語の会議で割り込む・発言を求めるフレーズ|jump in と the floor
英語の会議で日本語話者がいちばん困るのが、ここです。
話が途切れるのを待っていると、最後まで順番が回ってきません。
そこで使うのが jump in です。
Cambridge は jump in を句動詞として立て、語義を「誰かが話している最中にさえぎること」と書いています。
Longman も同じ語を「人の話をさえぎる、あるいは会話に急に加わる」と説明しています。
jump in ── to interrupt when someone else is speaking
(Cambridge Dictionary|jump in)
実務で使う形は May I jump in? か Can I jump in here? です。語義そのものが「さえぎる」なので、許可を求める形にして角を落とします。
Cambridge の語義に formal / informal の札は付いていません。社内会議でも社外の会議でも使える形です。
英語で「どうぞ」と発言を譲るときの go ahead
割り込まれた側、あるいは司会の側が返す一言が go ahead です。
Cambridge は go ahead の語義の1つに informal のラベルを付け、「相手に始める許可を与えるために言う言葉」と説明しています。
Longman はこの用法に spoken の札を付け、「許可を与える、あるいは自分より先に話させる」と書いています。
“Could I ask you a rather personal question?” “Sure, go ahead.”
(Cambridge Dictionary|go ahead の例文)
go ahead は「話していいですよ」の1語です。Longman が spoken と書いているとおり口頭の場面の語なので、会議の発言権のやり取りにはそのまま使えます。
英語の会議で発言権そのものを指す the floor
もう一段かしこまった場では、発言権を floor という語で呼びます。
Cambridge は have the floor を「話す権利を持っている」と説明し、the floor is yours を「たいてい formal な場で、相手に話し始めるよう促すときに使う」と書いています。
同じ項には、司会が質問を受け付けるときの例文も載っています。
The chairman said that he would now take questions from the floor.
(Cambridge Dictionary|floor/from the floor)
司会をするなら The floor is yours, Ms. Tanaka. の形で指名でき、質疑に移るときは take questions from the floor がそのまま使えます。
| 発言権のやり取り | 英語 | 辞書のラベル |
|---|---|---|
| 話の途中に入る | May I jump in? | jump in=さえぎる(ラベルなし) |
| 相手に譲る | Go ahead. | Cambridge=informal/Longman=spoken |
| さえぎってよいと先に伝える | Please feel free to interrupt me. | interrupt=B1・中立 |
| formal な場で指名する | The floor is yours. | Cambridge が「usually at a formal event」と明記 |
| 質疑に移す | We’ll take questions from the floor. | from the floor=会場・出席者から |
英語の会議で賛成と反対を伝えるフレーズ|agree の型と point
賛成は agree ですが、日本語話者がつまずくのは後ろに置く前置詞です。
Cambridge は agree を A2 の語として立て、agree with/agree about/agree on の3つの形を並べています。
載っている例文は「I agree with you on this issue.」です。
整理すると、賛成する相手には with、賛成する論点には on か about を当てます。両方を1文に入れるなら agree with 人 on 論点 の順です。
that 節を続ける形も辞書にあり、I agree that … と書けます。
英語で全否定にせずに反対する I see your point, but
反対のときに効くのが point です。
Cambridge の point の項には、see someone’s point という組み合わせと、その例文が載っています。
Yes, I can see your point, but I still disagree with you.
(Cambridge Dictionary|point の例文)
辞書の例文そのものが「見解は分かるが、それでも同意しない」という構えになっています。
もう1つ、I take your point という慣用句も立項されています。
Cambridge はこれを「相手の言ったことが重要だと認めるときに使う」と説明し、point taken という短い形も併記しています。
I take your point, but … は、相手の指摘を受け取ったと示してから別の案を出す形です。英語の会議で角を立てずに反対する定型はこれです。
英語の会議で正面から異議を出す objection
もっと明確に異議を出す場面では objection を使います。
Cambridge は objection を B2 の名詞として立て、raise an objection と voice an objection という組み合わせを載せています。
例文には「No one voiced any objections during the meeting.」があり、会議そのものが舞台になっています。
| 立場 | 英語 | 辞書での裏づけ |
|---|---|---|
| 全面的に賛成 | I agree with you on this point. | agree with 人/on 論点(A2) |
| 内容に賛成 | I agree that we should postpone it. | agree + that 節の形が立項 |
| 理解は示すが反対 | I see your point, but … | see someone’s point の例文が「but I still disagree」の形 |
| 指摘を認めて別案へ | I take your point. / Point taken. | 「相手の指摘が重要だと認める」と語義に明記 |
| 正式な異議 | I’d like to raise an objection. | raise an objection / voice an objection(B2) |
英語の会議で聞き返すフレーズ|repeat・clarify・breaking up
聞き取れなかったときに黙るのが、いちばん損をします。
聞き返しは、原因ごとに語が分かれます。
音として聞こえなかったなら repeat です。
Cambridge は repeat を A2 の語とし、例文に「Would you mind repeating what you just said?」を載せています。
聞こえたけれど中身が分からなかったときは clarify です。Cambridge は clarify を「より詳しい説明や、より簡単な説明を足して、分かりやすくすること」と説明しています。
Could you clarify the first point please? I don’t understand it completely.
(Cambridge Dictionary|clarify の例文)
この例文は、そのまま会議で口に出せる形になっています。
英語のオンライン会議で回線が切れたときの break up
相手の声が途切れるのは、聞き手の英語力の問題ではありません。
この状況には専用の語義があります。
Cambridge は break up に STOP BEING HEARD という語義を立て、「携帯電話で話している人が breaking up している場合、その声はもうはっきりとは聞こえない」と説明しています。
米国英語の項では「接続が十分でないために通話が理解できなくなること」と書かれています。
だから You’re breaking up. は「あなたの声が途切れています」であって、相手を責める言い方ではありません。回線の状態を伝える定型です。
もう1つ、音が出ていないときに使うのが mute です。
Cambridge は on mute を「機器のミュートボタンが押されていて音が出ない状態」と説明しています。
You’re on mute. は、辞書の語義どおり「ミュートのままですよ」。オンラインの英語会議で最も出番の多い1文です。
| 困っている中身 | 英語 | 辞書の語義 |
|---|---|---|
| 音として聞き取れない | Would you mind repeating that? | repeat=同じことを二度以上言う(A2) |
| 中身が分からない | Could you clarify the first point? | clarify=説明を足して分かりやすくする(C1) |
| 声が途切れる | You’re breaking up. | break up=声がはっきり聞こえなくなる |
| 音が出ていない | You’re on mute. | on mute=ミュートボタンが押された状態 |
| 要点をまとめ直してほしい | Could you give us a quick recap? | recap=要点を繰り返すこと |
英語の会議で決める・宿題を割るフレーズ|action item と follow up
会議が空回りするのは、最後の3分で決まった内容を言語化しないときです。
英語には、この3分のための語がきちんと用意されています。
Cambridge は action item を名詞として立て、US の札と action point という別形を併記したうえで、語義をこう書いています。
action item ── a job for a particular person or group to do following a meeting, a report, etc.
This is the list of main action items arising out of the meeting.
(Cambridge Dictionary|action item)
語義に「特定の人またはグループがやる仕事」と書かれている点が要です。action item は課題ではなく、担当者が貼り付いた宿題を指します。
英国式の会議では action point という形もよく使われます。Cambridge のビジネス英語の項でも、action item は action point へ送られています。
英語で「あとで追いかけます」を伝える follow up
その場で結論が出ない論点には follow up を当てます。
Cambridge は follow something up を B2 の句動詞とし、「それについてさらに調べる、あるいは関連する行動を追加で取る」と説明しています。
米国英語では follow up on something という形も併記されています。
名詞の follow-up は「以前に起きたことに続く追加の行動」で、例文には「This meeting is a follow-up to the one we had last month.」があります。
I’ll follow up on this by Friday. と言えば、「この件は私が引き取り、金曜までに動きます」まで伝わります。宿題を1人に寄せるときの標準形です。
英語の会議で table を使うと英米で意味が逆になる
決定の場面で、最も事故になりやすい語が動詞の table です。
Cambridge は table の DISCUSSION の語義に、UK と US の2つを別々に立てています。
[T] UK to suggest the formal discussion of something
[T] US to delay the formal discussion of a subject until later
(Cambridge Dictionary|table〈動詞〉)
同じ Let’s table this. が、英国では「これを議題に出しましょう」、米国では「これは後回しにしましょう」になります。正反対です。
相手の国が混ざる英語の会議では、この語を避けるのが安全です。
議題に出したいなら put it on the agenda、後回しにしたいなら postpone や discuss it later と言えば誤解が起きません。
英語の会議の記録は minutes、要点は takeaway
議事録は minutes です。
Cambridge は the minutes を「会議で話されたことの記録」と説明し、take the minutes(議事録を取る)という組み合わせを載せています。
一方、会議から持ち帰る要点は takeaway です。
Cambridge はこの語義に mainly US の札を付け、「聞いたり読んだりしたものから学ぶ主要なメッセージや情報」と書いています。
The takeaway from today is … で「今日の要点は」と締められます。ただし英国では takeaway に「持ち帰りの食事」の語義があるため、場によっては main points と言い換えたほうが伝わります。
| 決めるときの英語 | 辞書での中身 | 言い切れること |
|---|---|---|
| action item / action point | 会議のあとに特定の人がやる仕事 | 担当者が貼り付いた宿題 |
| follow up on … | さらに調べる・追加で行動する(B2) | 引き取って動く人を決める |
| take the minutes | 会議で話されたことの記録を取る | 議事録の担当を決める |
| the takeaway | 主要なメッセージ(mainly US) | 今日の要点をひと言でまとめる |
| table(動詞) | UK=議題に出す/US=先送りする | 意味が割れるので使わない |
英語の会議を締めるフレーズ|wrap up と adjourn はラベルが逆
最後は締めです。
ここで使われる2語は、どちらも「終わらせる」と訳されますが、辞書の札が正反対です。
Cambridge は wrap something up の FINISH の語義に informal のラベルを付け、「何かを首尾よく完了させること」と書いています。
Oxford Learner’s Dictionaries も同じく informal の札を付け、「合意や会議のようなものを、受け入れられる形で完了させること」と説明しています。
That just about wraps it up for today.
(Cambridge Dictionary/Oxford Learner’s Dictionaries|wrap up の例文)
2つの辞書が同じ例文を載せています。Let’s wrap up. は社内会議の締めとして、そのまま使える形です。
英語の adjourn は会議と裁判の語
対して adjourn には、Cambridge が formal のラベルを付けています。
語義は「formal な会議や裁判の途中で、中断や休憩を取ること」です。
ビジネス英語の項では MEETINGS と LAW の分野札が付き、「会議や裁判を一時的に終える」と書かれています。
Oxford Learner’s Dictionaries も formal の札を付け、「会議や公的な手続き、とくに裁判を一定期間止めること」と説明しています。
Shall we adjourn for lunch?
The chairman may adjourn the meeting at any time.
(Cambridge Dictionary|adjourn / Oxford Learner’s Dictionaries|adjourn の例文)
adjourn は「解散」ではなく「いったん止める」です。だから Shall we adjourn for lunch?(昼で中断しましょうか)という言い方が成り立ちます。
取締役会や委員会のように議事録が残る会議なら adjourn、社内の打ち合わせなら wrap up。この線引きで足ります。
英語の会議を締める前に置く recap
締める直前に入れる1手が recap です。
Cambridge は recap を「説明や描写の要点を繰り返すこと」と説明し、例文に「To recap, our main aim is to increase sales by 15 percent this year.」を載せています。
名詞としても立項され、「Could you give me a quick recap on what happened in the meeting?」という会議そのものの例文が付いています。
To recap, … で決定事項を読み上げ、そのあと Let’s wrap up. で閉じる。この2手が英語の会議の締めの型です。
司会を引き受けるなら chair も覚えておくと動けます。Cambridge は chair の TITLE の語義を「会議や団体を取り仕切る人の公式な立場、またはその人」とし、「Who will take the chair at the next meeting?」という例文を載せています。
英語の会議のフレーズ一覧|進行順にそのまま読める早見表
ここまでを1枚にまとめます。
上から順に読めば、会議1本がそのまま進む並びにしてあります。
| 進行 | そのまま言える英語 | 日本語での役割 | 辞書のラベル |
|---|---|---|---|
| ① 始める | Let’s get started. | では、始めましょう | ラベルなし(中立) |
| ① 始める(硬め) | Shall we begin? | そろそろよろしいでしょうか | shall=formal |
| ② 議題 | Let’s go over today’s agenda. | 本日の議題を確認します | agenda=C1 |
| ② 議題を進める | Let’s move on to the next item on the agenda. | 次の議題に移ります | Cambridge の例文の形 |
| ③ 意見 | In my view, … / From my perspective, … | 私の見方では | perspective=C1 |
| ③ 提案 | I propose that we … | こう決めませんか | propose=B2 |
| ④ 割り込む | May I jump in here? | ひとこと入れてもいいですか | jump in=さえぎる |
| ④ 譲る | Go ahead. / The floor is yours. | どうぞ/ご発言ください | go ahead=informal・spoken |
| ⑤ 賛成 | I agree with you on that point. | その点は賛成です | agree with 人/on 論点 |
| ⑤ 反対 | I take your point, but … | おっしゃることは分かります。ただ | 「指摘を重要と認める」語義 |
| ⑥ 聞き返す | Would you mind repeating that? | もう一度お願いできますか | repeat=A2 |
| ⑥ 説明を求める | Could you clarify that point? | そこを詳しく教えてください | clarify=C1 |
| ⑥ 回線 | You’re breaking up. / You’re on mute. | 声が途切れています/ミュートです | break up=声が聞こえない |
| ⑦ 決める | Let’s make that an action item. | それは宿題にしましょう | action item=US・action point |
| ⑦ 追いかける | I’ll follow up on this by Friday. | 金曜までに私が動きます | follow up=B2 |
| ⑧ まとめる | To recap, we agreed on three things. | 要点をまとめます | recap=要点を繰り返す |
| ⑧ 締める | Let’s wrap up. | 今日はここまでにしましょう | wrap up=informal |
| ⑧ 締める(公式) | Shall we adjourn for lunch? | 昼で中断しましょうか | adjourn=formal・MEETINGS/LAW |
この表の1列目が進行、2列目が口に出す英語です。会議の前に1分だけ目を通しておけば、どこで何を言うかが決まった状態で入れます。
まとめ|英語の会議のフレーズは場面ごとに1つずつ持てばよい
英語の会議のフレーズを増やしても、会議は楽になりません。
楽になるのは、進行の各場面に「これを言う」と決めた1つが入ったときです。
- 始めるのは Let’s get started.。硬い場だけ Shall we begin? に替えます
- 議題は agenda。ただし会議以外の意味では GOV.UK が plan に替えるよう書いています
- 意見は From my perspective、提案は I propose that で出し分けます
- 割り込みは May I jump in?、譲るのは Go ahead. です
- 反対は I take your point, but … で、受け取ってから出します
- 聞き返しは、音なら repeat、中身なら clarify、回線なら breaking up と原因で替えます
- 決めたことは action item、引き取りは follow up で言語化します
- 締めは wrap up(informal)と adjourn(formal)を場で使い分けます
- ⛔ 動詞の table は使いません。英と米で意味が逆だと辞書が明記しているためです
英語の会議は、語彙の量ではなく進行の地図で決まります。8つの場面に1つずつ言葉が入っていれば、途中で止まりません。
英語の会議のフレーズを調べた出典一覧(すべて 2026-09-16 に本文を確認)
- Cambridge Dictionary|get started(to begin の語義。formal / informal のラベルなし)
- Cambridge Dictionary|shall(SUGGEST の項の formal ラベルと、米国英語の注記)
- Cambridge Dictionary|commence(formal・C2 の表示)
- Cambridge Dictionary|kick off(informal to begin の語義)
- Cambridge Dictionary|agenda(会議の議題の語義・hidden agenda・esp. disapproving の札)
- Oxford Learner’s Dictionaries|agenda(a list of items to be discussed at a meeting)
- Cambridge Dictionary|AOB(any other business の略・UK ラベル)
- GOV.UK style guide|A to Z of GOV.UK style(Words to avoid の agenda の項)
- Cambridge Dictionary|perspective(a particular way of considering something/from a perspective)
- Cambridge Dictionary|propose(B2 の語義と that 節の例文・propose a motion)
- Cambridge Dictionary|jump in(to interrupt when someone else is speaking)
- Longman Dictionary of Contemporary English|jump in(INTERRUPT の語義)
- Cambridge Dictionary|interrupt(B1 の語義と feel free to interrupt me の例文)
- Cambridge Dictionary|go ahead(informal・許可を与える語義)
- Longman Dictionary of Contemporary English|go ahead(spoken の札と「let them speak before you」)
- Cambridge Dictionary|floor(have the floor/the floor is yours/from the floor)
- Cambridge Dictionary|agree(agree with / about / on の形と例文)
- Cambridge Dictionary|point(see someone’s point/I take your point/point taken)
- Cambridge Dictionary|objection(raise an objection/voice an objection)
- Cambridge Dictionary|repeat(A2 の語義と Would you mind repeating の例文)
- Cambridge Dictionary|clarify(C1 の語義と Could you clarify the first point の例文)
- Cambridge Dictionary|break up(STOP BEING HEARD の語義と米国英語の記述)
- Cambridge Dictionary|mute(on mute の語義)
- Cambridge Dictionary|action item(US ラベル・action point・会議後の仕事という語義)
- Cambridge Dictionary|follow something up(B2 の語義・follow up on・名詞の follow-up)
- Cambridge Dictionary|takeaway(mainly US の INFORMATION の語義と、UK の FOOD の語義)
- Cambridge Dictionary|the minutes(会議の記録・take the minutes)
- Cambridge Dictionary|table〈動詞〉(UK と US で逆になる DISCUSSION の語義)
- Cambridge Dictionary|wrap something up(FINISH の informal ラベルと例文)
- Oxford Learner’s Dictionaries|wrap up(informal・会議や合意を完了させる語義)
- Cambridge Dictionary|adjourn(formal ラベル・MEETINGS/LAW の分野表示)
- Oxford Learner’s Dictionaries|adjourn(formal・The chairman may adjourn the meeting at any time.)
- Cambridge Dictionary|recap(要点を繰り返すという語義と、会議の例文)
- Cambridge Dictionary|chair(TITLE の語義・take the chair at the next meeting)
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