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「ご査収ください」は英語で何と言うのか。添付を送る1行と、受領確認の言い方を辞書で分けた

見積書を添付して「ご査収ください」と打ったところで、英語の一行が出てこない。

日本語のビジネスメールは、ファイルを1つ付けて「ご査収のほどよろしくお願いいたします」と書けば、それだけで一通が成立します。

ところが英語にしようとすると、この一言に相当する1語がどこにも見つかりません。

英和辞典で「査収」を引いても、答えが1つに決まらないからです。

  • 添付を送るときは「Please find attached」と書いておけばよいのか
  • 「その言い方はもう古い」と聞いたことがあるが、本当なのか
  • 「査収」に含まれる「調べてほしい」「受け取ったと返事がほしい」は、どこへ消えるのか

この記事では、英英辞典(Cambridge Dictionary・Longman)、英語版Wiktionary、Microsoft の Writing Style Guide、英国政府の GOV.UK スタイルガイドに実際にアクセスして本文を落とし、そこに書かれていた記述だけを根拠に整理しました。

先に結論を書きます。

  • 「ご査収ください」に1対1で対応する英語はありません
  • 理由は、この日本語が①送りました ②中身を調べてください ③受け取ったと返事をくださいの3つを、たった一言で兼ねているからです
  • 英語はこの3つが別々の語になります=送付は attach/enclose、調べるのは review、受領の返事は acknowledge receipt
  • 実務でいちばん多い場面は①なので、まず「添付しました」の1行を書き、してほしいことがあれば次の1文で足すのが最短です
  • Please find attached は、今も辞書に見出しとして載っている定型です。ただし「formal(かたい)」という札が付いています
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「ご査収ください」の英語が1語で決まらないのは、この日本語が3つの用を兼ねているからです

英語が出てこないのは語彙が足りないからではなく、日本語の側が3つの用事を1つにまとめているからです。

「査収」は「調べて受け取る」という熟語です

「査収」の「査」は調べること、「収」は受け取ることです。

この「調べる」を英語の辞書で探すと、examine と inspect が並びます。

Cambridge Dictionary の examine には、こう書かれています。

to look at or consider a person or thing carefully and in detail in order to discover something about them

同じく inspect には、こうあります。

to look at something or someone carefully in order to discover information, especially about their quality or condition

どちらも「何かを見つけ出すために、細かく見る」という語です。

そのまま Please examine the attached invoice. と書くと、「この請求書に不備がないか調べろ」という検品の指示に寄ります。

日本語の「ご査収ください」は、そこまで強いことを言っていません。

ほとんどの場合、送り手が本当に伝えたいのは「送りました」の一点だけです。

英語は「送った」と「してほしいこと」を別々の文で書きます

英語のメールは、1文に2つの用事を詰めません。

Microsoft の Writing Style Guide は、世界向けの文章について「短く単純な文を書くこと」を最初に挙げています。

Write short, simple sentences.

ですから、日本語の一言を英語の一言に押し込もうとせず、先に3つへ割ってしまうのが早いです。

「ご査収ください」が兼ねている用相手にさせたいこと英語の受け皿
①送りました添付・同封があると知らせるattach/enclose(Please find attached・Attached is・I’ve attached)
②中身を調べてください目を通して判断してもらうreview
③受け取ったと認めてください届いた旨の返信をもらうacknowledge receipt

この表の①だけを書けば済む場面が、実務では圧倒的に多いです。

「ご査収ください」の英語の中心は「添付しました」の1行です

まず、送付を知らせる1行を固めます。

attach は辞書に「メールや手紙と一緒に送る」と書いてあります

attach は「くっつける」という語だと覚えている人が多いのですが、辞書はそこで止まっていません。

Cambridge Dictionary の attach(CONNECT)は「留める・つなぐ・結びつける」と定義したうえで、例文の中に次の一文を置いています。

I attach (= am sending, usually with a letter) a copy of our latest report.

丸カッコの中で「=送っている」と言い換えているのが決定的です。

さらに同じ Cambridge の Business English 版には、独立した語義として立っています。

IT, COMMUNICATIONS to send a document, picture, etc. with an email or letter

Longman の Business 版も、同じ趣旨を書いています。

if a letter or document is attached to something, it is sent with it

つまり attach の一語で「送った」まで言えているので、送付の文に send を重ねる必要はありません。

送付の1行は、この3つから選べば足ります

言い方は無数にあるように見えて、実際に使われている型は3つに収まります。

型例かたさと使いどころ
Please find attached + 名詞Please find attached the invoice for August.いちばんかたい。Wiktionary に formal の札。社外・初めての相手・契約まわり
Attached is + 名詞Attached is the invoice for August.中間。社外でも社内でも使え、事務連絡として無色
I’ve attached + 名詞I’ve attached the invoice for August.いちばん軽い。社内・やり取りが続いている相手

迷ったら真ん中の Attached is を選べば、かたすぎも軽すぎもしません。

なお attachment という名詞は、メールの添付ファイルだけを指す語ではありません。

Cambridge Dictionary で attachment を引くと、最初に出てくるのは機械の付属部品の語義です。

an extra piece of equipment that can be added to a machine

メールの添付を指す語義は、Longman の Business 版のほうにはっきり書かれています。

COMPUTING a document which is sent as part of an EMAIL message

so the attachment と書くより、Attached is the invoice. のように中身を名指ししたほうが、相手は何が来たのかを一目で分かります。

「ご査収ください」に Please find attached を使ってよいのか、辞書とガイドを落として確かめました

「Please find attached はもう古い」という言い方は、日本語の英語学習記事でよく見かけます。

そこで、辞書と公式の文章ガイドに実際に何と書いてあるのかを、本文ごと落として確かめました。

Wiktionary には見出しとして立っていて、札は formal です

英語版 Wiktionary には please find attached というページがあり、phrasebook(よく使う言い回し集)の一項目として登録されています。

(formal) The following item or items are attached to this message.

Please find attached the amended employment contract.

つまり「死語」ではなく「かたい言い方」として登録されている、というのが実際に取れた記述です。

Cambridge の find には、この型の語義は立っていません

一方で、Cambridge Dictionary の find のページを落として「please find」「find attached」「find enclosed」で検索すると、当たった箇所は0件でした。

この型は find の語義として説明されているのではなく、attach や enclose の側に例文として現れます。

実際、Cambridge の Business English 版の enclose には、同じ形の例文がそのまま載っています。

Please find enclosed an application form and information about the company.

辞書の例文に採用されている以上、「文法的におかしい」「通じない」という評価は当たりません。

なお please find enclosed のほうは、Wiktionary に独立したページがありませんでした(アクセスすると存在しないという応答が返ります)。

MicrosoftとGOV.UKのスタイルガイドが添付の言い方について書いていること

Microsoft の Writing Style Guide と、英国政府の GOV.UK スタイルガイド A to Z も落として確かめました。

GOV.UK の A to Z 全文を attach で検索すると、当たったのは1か所だけでした。

Use numbered steps instead of bullet points to guide a user through a process. You do not need a lead-in line and you can use formatting like links and attachments in steps.

これは手順の書き方についての項目で、メールで添付を知らせる言い方を定めたものではありません。

間接的に効く記述はあります。

Microsoft は、世界に向けた文章について次のように書いています。

Avoid idioms, colloquial expressions, and culture-specific references. They can be confusing for non-native English speakers and hard to localize.

語数についても、同じガイドがはっきり書いています。

Don’t use two or three words when one will do.

Please find attached は3語がかりで「添付しました」を言う型で、I’ve attached なら2語で済みます。

「古いから駄目」ではなく「短く書けるほうを選ぶ」という理由なら、一次ソースの記述で説明がつきます。

相手が英語圏以外の同僚である場合ほど、この判断は意味を持ちます。

「ご査収ください」の「中身を調べてください」は、送付の1行と分けて足します

Attached is the draft. と書いただけでは、「読んでほしい」という依頼は1文字も伝わっていません。

添付を知らせる文は、あくまで「送った」という事実の報告だからです。

目を通して判断してほしいときは、次の1文を足します。

その受け皿が review です。

Cambridge Dictionary の review(THINK AGAIN)には、こう書かれています。

to think or talk about something again, in order to make changes to it or to make a decision about it

「変更するため、または判断するために、もう一度考える」──依頼の中身がここまで具体的に決まります。

ですから、契約書の案を送って意見がほしいときは、2文でこう書けます。

  • I’ve attached the draft contract.(送った)
  • Could you review it and let me know if anything needs changing?(調べてほしい)

ここを Please review it. と短く書くこともできます。

ただし Microsoft の Writing Style Guide は、please の使用に条件を置いています。

Avoid please except in situations where the customer is asked to do something inconvenient or the application or site is to blame for the situation.

「相手に手間をかけさせるとき」は please を付けてよい側なので、書類に目を通してもらう依頼はここに当てはまります。

なお、review・check・confirm・approve をどう選び分けるかは、それ自体が別の論点です。

この記事では、あくまで「添付を送る側の作法」に絞ります。

「ご査収ください」の「受け取ったと返事をください」は acknowledge receipt です

請求書や署名済みの書類を送ったときは、届いたことを相手に認めてほしい場面があります。

この「受領を認めてもらう」だけを指す動詞が、英語にはきちんと用意されています。

acknowledge は辞書の語義そのものが「受け取ったと伝える」です

Cambridge Dictionary の acknowledge には、「認める」の語義とは別に、次の語義が立っています。

to tell someone, usually in a letter or email, that you have received something they sent you

Please acknowledge receipt of this letter.

Longman の Business 版も、ほぼ同じ形で載せています。

We shall be grateful if you will kindly acknowledge receipt of this letter.

acknowledge receipt of ~ は、辞書が例文ごと採録している定型なので、そのまま使って構いません。

receipt は「レシート」ではなく「受け取ったこと」です

ここでいちばん誤解されるのが receipt です。

紙のレシートを思い浮かべると、acknowledge receipt が「領収書を認める」に見えてしまいます。

Cambridge Dictionary は、レシートの語義(PROOF)とは別に、数えられない名詞の語義を立てています。

[U] formal the act or state of receiving money or goods

Goods will be delivered on receipt of payment.

Business English 版も「受け取るという行為」と定義し、次の例文を添えています。

We will send an acknowledgement within two working days of receipt.

この例文の acknowledgement こそが、日本語の「受領確認のご連絡」にあたる名詞です。

Cambridge の acknowledgement は、こう定義されています。

a letter or email to say that you have received something that someone sent to you

言いたいこと英語の1行備考
受け取ったら返事をくださいCould you acknowledge receipt when you have a moment?依頼としてやわらかい
受領のご連絡をお願いします(かたく)Please acknowledge receipt of the attached documents.辞書の例文と同じ形
確かに受領しました(返す側)I acknowledge receipt of the documents. Thank you.受け取った側の定型
受け取りました(軽く)Received with thanks.社内・短信向け

「送りました」と「受領の返事をください」は別の用事なので、英語では必ず別の文になります。

紙や郵送で送る「ご査収ください」は attach ではなく enclose です

契約書の原本や証明書を郵送するとき、attach を使うと意味がずれます。

Cambridge Dictionary の enclose(SEND)は、次のように定義されています。

to send something in the same envelope or parcel as something else

Business English 版はさらに簡潔です。

COMMUNICATIONS to include something inside a letter or parcel

Longman も「手紙と一緒に封筒へ入れる」と書いています。

to put something inside an envelope as well as a letter

封筒に入っているものは enclose、メールにぶら下がっているものは attach──この線引きは、辞書の語義どおりに機械的に決まります。

herewith には「law」「formal or specialized」の札が付いています

古い文例集には、Please find herewith … という形が載っていることがあります。

Cambridge Dictionary の herewith には、見出しの直下に law、formal or specialized という札が並びます。

together with this letter or other official written material

I enclose three documents herewith.

英語版 Wiktionary も「with this; especially, with this letter or communication」と定義しています。

そしてWiktionaryがこの語義に添えている用例は、1590年のスペンサー『妖精の女王』と、1852〜53年のディケンズ『荒涼館』でした。

現代のビジネスメールの用例は、少なくとも今回落とした範囲では1つも挙がっていません。

法律文書の外で使う理由は、ここからは見つけられませんでした。

「ご査収ください」の英語|場面別のまとめ表と、やりがちな外し方

ここまでを、そのままコピーして使える形に並べ直します。

場面日本語英語(1〜2文で書く)
見積書をメールで送るだけご査収くださいAttached is our quotation.
契約書の案を送って意見がほしいご査収のうえ、ご意見くださいI’ve attached the draft contract. Could you review it and let me know if anything needs changing?
請求書を送って受領の返事がほしいご査収のほどお願いいたしますPlease find attached the invoice. Could you acknowledge receipt when you have a moment?
複数のファイルを送る下記の書類をご査収くださいI’ve attached three files: the agenda, the slides, and the minutes.
郵送で書類を同封する同封の書類をご査収くださいPlease find enclosed the signed documents.
受け取った側が返す確かに受領いたしましたI acknowledge receipt of the documents. Thank you.

表の右列を見ると、どれも「送った」の1文から始まっているのが分かります。

やりがちな外し方は3つです

  • Please confirm. だけで終える──Cambridge の confirm は「予定を確定する」「事実だと裏づける」側の語で、「添付を見てほしい」とは書いていません
  • Please examine the attached file. と書く──examine は「何かを見つけ出すために細かく見る」語なので、検品や取り調べに寄ります
  • Attached please find … や herewith を混ぜる──herewith は辞書上 law・formal or specialized の札が付いた語で、通常のメールで足す理由がありません

Cambridge の confirm は、「予定を確実にする」と「正しいと裏づける」の2つの語義で立っています。

to make an arrangement or meeting certain, often by phone or writing

to prove that a belief or an opinion that was previously not completely certain is true

どちらも「添付した書類に目を通してほしい」という意味は含んでいないので、送付の文の締めには使えません。

最後に、いちばん短い覚え方を書いておきます。

「ご査収ください」は、英語では「送った」+「してほしいこと」の2文に割る。これだけ決めておけば、毎回迷わずに書けます。

「ご査収ください」の英語を調べるために読んだ出典

この記事で引用した英文は、すべて次のページから本文を取得して確認したものです。

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