本文は書き終えた。あとは署名の上に1行入れるだけ。そこで手が止まる。
英語メールの結び、いわゆるクロージングです。
候補はいくらでも出てきます。
Best regards、Kind regards、Regards、Sincerely、Yours faithfully、Yours truly、Thanks。
候補が多すぎて、どれが失礼でどれが親しすぎるのかが分かりません。
- Best regards と Kind regards は、どちらが丁寧なのか
- Sincerely と Yours faithfully は、何が違って使い分けられているのか
- Thanks で終わらせたら、ビジネスメールとして軽すぎるのか
この記事では、英英辞典(Cambridge・Oxford・Longman)が各語に付けている語義とラベル、および英国政府(GOV.UK)と Microsoft が公開している文章ガイドの記述だけを根拠に、結びの語を並べ直しました。
先に結論を書きます。
- 結びは「丁寧度の順位表」で選ぶものではありません。辞書は丁寧度の点数ではなく、宛名の書き方と相手との距離で語を割り当てています
- 日常のビジネスメールの既定値は Best regards / Kind regards。Longman がこの形を「友好的だが、ややかたい終わり方」と定義しています
- Yours sincerely と Yours faithfully は、書き手が選ぶものではありません。宛名を相手の名前で書いたか、Dear Sir / Dear Madam で書いたかで自動的に決まります
- 米国式は Sincerely / Sincerely yours / Yours truly。Oxford と Cambridge が、この3つに North American English・mainly US のラベルを付けています
- Thanks には informal のラベルが付いています(Cambridge)。相手に頼みごとをした返信など、感謝が本題のときに限って使います
- ⛔ GOV.UK のスタイルガイドには、結びの語そのものの指定が1件もありません(A to Z 全文を検索して sincerely・faithfully・regards いずれも0件)。書式だけは公式ガイドから決められます
英語メールの結びは「丁寧度の順位」では決まらない。宛名と距離で決まる
いちばん誤解されているところから答えます。
英語の結びを、丁寧な順に1列に並べた表を見たことがあると思います。
ところが辞書を引くと、そういう並べ方はどこにも出てきません。
辞書が書いているのは「何点の丁寧さか」ではなく、「どういう手紙の、どういう宛名のときに使う語か」です。
辞書のラベルは「formal」「informal」「UK」「US」の4種類しかない
今回調べた7語に、辞書が実際に付けていたラベルはこれだけです。
| 結びの語 | 辞書が付けているラベル(実測) | どの辞書か |
|---|---|---|
| regards | phrase [plural] / formal / B1 | Cambridge |
| kind regards | written(=書きことば) | Longman |
| best regards | 「friendly but rather formal」な終わり方 | Longman |
| (yours) sincerely | phrase / B1 / US also Sincerely yours | Cambridge |
| Yours faithfully | phrase / mainly UK / B2 | Cambridge |
| Yours truly | phrase / formal / mainly US | Cambridge |
| thanks | exclamation / informal / A1 | Cambridge |
| best wishes | noun [plural](よく知っている相手あて) | Cambridge |
この表で目を引くのは、丁寧度が数字で並んでいないことです。
formal と informal の2択があり、そこに UK と US の地域ラベルが重なっているだけです。
つまり選ぶ作業は、点数付けではなく「自分がいま書いているメールがどの箱に入るか」を決める作業です。
英語の結びを決める問いは3つだけ
辞書の語義を裏返すと、結びを1語に絞るための問いは3つに収まります。
- 宛名を相手の名前で書いたか。Dear Sir / Dear Madam で始めたのか
- 相手は英国側か、米国側か。faithfully と truly は、ここで完全に分かれます
- 相手をどれくらい知っているか。Cambridge は best wishes を「かなりよく知っている相手」向けとしています
この3問に答えれば、残る候補は1つか2つになります。
英語の結びに「万能の1語」を求めると事故になる理由
ひとつだけ覚えて全部に使い回したい、と考えるのは自然です。
ただし Yours faithfully だけは、その使い方ができません。
後述のとおり、この語は「宛名に相手の名前が無いこと」を条件として語義に書き込まれているからです。
相手の名前で書き出したメールを Yours faithfully で閉じると、辞書の定義に真っ向から反します。
英語の結びで最も外さないのは Best regards と Kind regards
日常のビジネスメールの既定値は、この2つで足ります。
理由は、辞書がこの形だけを「かたさ」と「友好」の中間に置いているからです。
Longman は kind/best regards を「友好的だが、ややかたい」と定義している
Longman Dictionary of Contemporary English の regards の項に、次の但し書きが付いています。
(with) kind/best regards (= used to end a letter in a friendly but rather formal way)
friendly(友好的)と rather formal(ややかたい)を、1つの語義の中で並べています。
これは日本語のビジネスメールで言えば「よろしくお願いいたします」の位置です。
距離を詰めすぎず、かといって他人行儀にもならない。取引先にも社内にも使える幅がある、という意味になります。
同じ Longman の kind regards の独立項目には、さらに絞った説明があります。
kind regards — written — used to end a formal but fairly friendly letter
語順が入れ替わっていることに注意してください。
regards の項では friendly but rather formal、kind regards の項では formal but fairly friendly です。
どちらを主にするかが逆になっているだけで、指している範囲は同じ帯です。Best regards と Kind regards の間に、辞書が認める丁寧度の差は書かれていません。
Oxford は英語の regards を「メールか手紙の終わりに good wishes を送る語」としている
Oxford Learner’s Dictionaries の regard(名詞)の項では、複数形 regards に独立した語義が立っています。
regards [plural] used to send good wishes to somebody at the end of an email or letter, or when asking somebody to give your good wishes to another person who is not present
ここで押さえるべき点が2つあります。
- an email or letter と、メールが明示されていること。手紙だけの古い語ではありません
- 語義の本体が good wishes(好意)を送るであること。敬意ではなく好意の語です
同じ項目には、実際の使用例として次の形が挙げられています。
With best/kind regards, Yours… / The letter ended, ‘Kindest regards, Felicity.’
With を付けた With best regards も、最上級の Kindest regards も、辞書が実例として載せている形です。どちらも造語ではありません。
英語の Regards 単独は「短い連絡」向きと辞書が書いている
Best も Kind も付けない Regards, だけの形については、Longman の regards(複数形)の項が使う場面まで指定しています。
good wishes – used when sending your good wishes to someone or when ending a short letter or message
a short letter or message、つまり短い連絡です。
Longman はこの語義に、次の例文を添えています。
Hope to see you soon. Regards, Chris
本文が2行で終わるような、スレッドの途中の短い返信です。
一方 Cambridge は regards 全体に formal のラベルを付けています。短い=くだけている、ではありません。短いから語も短くする、という運用です。
初めて送るメールや、提案・見積・お詫びといった重い用件では、Best regards まで戻したほうが安全です。
英語の Yours sincerely と Yours faithfully は宛名で自動的に決まる
ここがこの記事の核心です。
この2語だけは、書き手の気分や相手の偉さで選ぶものではありません。
メールの冒頭に何と書いたかで、機械的に決まります。
相手の名前で書き出したら、英語の結びは Yours sincerely
Longman Business Dictionary の sincerely の項が、条件をそのまま文にしています。
Yours sincerely British English, Sincerely yours American English — an expression used to end a formal letter. You use this expression when you have addressed the person you are writing to by name, rather than Dear Sir or Dear Madam
Oxford も同じ条件を、ほぼ同じ言い方で書いています。
Yours sincerely (North American English Sincerely (yours)) (formal) used at the end of a formal letter before you sign your name, when you have addressed somebody by their name
2つの辞書が独立に、同じ条件(相手の名前で宛名を書いたとき)を語義の中に入れています。これは慣習ではなく、語の定義そのものです。
Cambridge は同じ語に B1 のレベル表示を付け、次の例文を並べています。
I look forward to hearing from you. Yours sincerely, Tanya Jones / Please contact me if you require any further information. Yours sincerely, Dr Raj Kumar
本文の最後の1文と、結びと、署名。
この3点セットが辞書の例文の形です。
Dear Sir / Dear Madam で書き出したら、英語の結びは Yours faithfully
相手の名前が分からず Dear Sir や Dear Madam で始めた場合は、対応する語が入れ替わります。
Cambridge は Yours faithfully に phrase / mainly UK / B2 のラベルを付けたうえで、語義をこう書いています。
used at the end of a formal letter beginning with “Dear Sir” or “Dear Madam”
Yours faithfully (British English) used at the end of a formal letter before you sign your name, when you have addressed somebody as ‘Dear Sir/Dear Madam, etc.’ and not by their name(Oxford)
Longman Business Dictionary も同じ条件です。
Yours faithfully especially British English — the usual polite way of ending a formal letter which you have begun with ‘Dear Sir’ or ‘Dear Madam’
3つの辞書が、例外なく「Dear Sir / Dear Madam で始めた手紙」を条件にしています。宛名と結びが対で動く、という1本の規則です。
Cambridge の例文も、その規則のとおりに並んでいます。
I look forward to a reply at your earliest convenience. Yours faithfully, Thomas Jackson
英語の宛名と結びの対応を1枚にする
冒頭に何と書いたかを見れば、結びは自動で決まります。
| 冒頭(宛名) | 英国式の結び | 米国式の結び | 根拠にした辞書 |
|---|---|---|---|
| Dear Ms Tanaka(相手の名前) | Yours sincerely, | Sincerely, / Sincerely yours, | Longman Business・Oxford・Cambridge |
| Dear Sir, / Dear Madam,(名前が不明) | Yours faithfully, | Yours truly,(mainly US) | Cambridge・Oxford・Longman Business |
| Hi Jane,(面識のある相手) | Best regards, / Kind regards, | Best regards, / Regards, | Longman・Oxford |
| Hi Jane,(依頼への返信で感謝が本題) | Thanks, | Thanks, | Cambridge(informal のラベル) |
この表の1行目と2行目が、いわゆる英語メールの型です。
迷ったときは、自分が書いた冒頭の1行へ戻ってください。結びを悩む必要はなく、宛名を見れば答えが書いてあります。
英語の結びの米英差|Sincerely・Sincerely yours・Yours truly の分かれ方
同じ「かたい結び」でも、英国と米国では出てくる語が違います。
辞書はこの差を、地域ラベルで明示しています。
Oxford は英語の yours の項で英国式と米国式を並べて書いている
Oxford Learner’s Dictionaries の yours(代名詞)の項が、いちばん分かりやすい形で両方を示しています。
(usually Yours) used at the end of a letter before signing your name — (British English) Yours sincerely/faithfully — (North American English) Sincerely Yours — (North American English) Yours Truly
British English の側には sincerely と faithfully の2つ。
North American English の側には Sincerely Yours と Yours Truly の2つ。
米国側に faithfully が入っていないことが重要です。米国の相手に Yours faithfully を使う形は、辞書の記述には出てきません。
英語の Yours truly には formal・mainly US のラベルが付いている
Cambridge の Yours truly は、見出しの直下にラベルが並んでいます。
Yours truly phrase formal mainly US / used to end a letter / I look forward to hearing from you. Yours truly, Taylor Champinski.
formal と mainly US が両方付いています。
ただし、この語には落とし穴がひとつあります。
先頭を小文字にした yours truly は、まったく別の意味になるのです。
yours truly — idiom — informal mainly humorous — used to mean the person who is speaking or writing(Cambridge)
Longman も yours truly に2つの語義を立てていて、後者にだけ informal のラベルを付けています。
used at the end of a letter, before the signature / used humorously to mean yourself
結びとして使うなら Yours truly, と大文字で始め、直後にコンマを置いて改行する。この形を崩すと「私」を指すおどけた言い方に読まれます。
英語の Sincerely 単独は米国式の標準として辞書に載っている
Yours を付けずに Sincerely, だけで閉じる形も、辞書が正面から扱っています。
Sincerely or Sincerely yours is a common way to end a letter to someone who is not a friend or family member, before you sign your name.(Cambridge Academic Content Dictionary)
a common way、つまり一般的な形だと書いています。
条件は someone who is not a friend or family member、友人でも家族でもない相手です。
日本から米国の取引先へ送るビジネスメールは、この条件にそのまま当てはまります。Sincerely, の1語で閉じる形は、米国向けでは何も間違っていません。
Cambridge Business English Dictionary も、3つの形をまとめて1行に置いています。
Yours sincerely UK (US Sincerely yours); (Sincerely) / used at the end of a formal letter before you sign your name
英語で Thanks と Best wishes を使ってよい場面は、辞書のラベルが決める
この2つは、上で見た結びとは性質が違います。
辞書がそもそも「手紙の結び」として立てていない、あるいは informal を明記しているからです。
英語の Thanks は informal・A1 のラベルが付いた語
Cambridge の thanks は、見出し語の時点で品詞とラベルが決まっています。
thanks exclamation informal / A1 → thank you
exclamation、つまり間投詞です。
Oxford の語義も、書き言葉の結びではなく、感謝を表す発話として説明されています。
used to show that you are grateful to somebody for something they have done / Many thanks for your support.
ここから導ける線はひとつです。Thanks, は「結びの語」ではなく「感謝の一言」なので、感謝すべき中身が本文にあるときだけ成立します。
- ✅ 資料を送ってもらった返信、依頼を引き受けてもらった返信
- ✅ 社内の同僚、何度もやり取りしている担当者
- ⛔ 初回の問い合わせ、見積の送付、お詫び、契約に関わる連絡
- ⛔ 宛名を Dear Sir / Dear Madam で書いたメール(かたさが噛み合いません)
Oxford が挙げている Many thanks for your support. の形なら、本文の最後の1文として置けます。
そのうえで署名の上には Best regards, を置く、という二段構えが無難です。
英語の Best wishes は「よく知っている相手」向けと定義されている
Cambridge の best wishes には、相手との距離が語義に直接書かれています。
best wishes noun [ plural ] / a polite way of finishing a letter to a person who you know quite well
a person who you know quite well、かなりよく知っている相手です。
初めて送る相手に Best wishes を使うのは、辞書の条件から外れます。Best regards のほうが守備範囲が広い、という判断はここから出ます。
なお Cambridge は、この項目を「Written greetings(書きことばのあいさつ)」という語群に入れています。
その語群には (yours) sincerely、faithfully、cordially、ever、love などが並んでいます。
love や darling が同じ語群に入っていることからも、この帯が「親しさ」の軸で並んでいることが分かります。
英語メールの結びの書式は、Microsoft と GOV.UK の記述から決める
語が決まったら、次は書き方です。
Best Regards なのか Best regards なのか、コンマは要るのか。
ここは辞書ではなく、英語圏の公式文章ガイドが答えを持っています。
Microsoft は英語の既定を sentence-style capitalization と定めている
Microsoft Writing Style Guide の Capitalization のページは、冒頭で方針を言い切っています。
Microsoft style uses sentence-style capitalization. That means everything is lowercase except the first word and proper nouns, which include the names of brands, products, and services.
最初の語と固有名詞だけを大文字にし、残りは小文字にする。
同ガイドの Top 10 tips のページにも、同じ原則が短く置かれています。
When in doubt, don’t capitalize. Default to sentence-style capitalization—capitalize only the first word of a heading or phrase and any proper nouns or names.
この原則を結びに当てると、Best regards / Kind regards / Yours sincerely の形になります。Best Regards と2語目まで大文字にする形は、この既定からは出てきません。
辞書の側の表記も、これと一致しています。
Cambridge の例文は Yours sincerely, Tanya Jones、Oxford の例文は ‘Kindest regards, Felicity.’ です。
結びの語のうち大文字で始まるのは先頭の1語だけ。そのあとにコンマを置き、改行して署名を書く。辞書の例文が全部この形です。
英語の砕けた印象は Microsoft の言う contractions で作る
結びの語を変えずに、文面の温度だけ上げたいときがあります。
Microsoft はその手段を、結びではなく短縮形に置いています。
Use common contractions, such as it’s, you’re, that’s, and don’t, to create a friendly, informal tone.
同ガイドのブランドボイスのページも、目指す声を Warm and relaxed(あたたかく、力の抜けた)と定義しています。
Warm and relaxed—We’re natural. Less formal, more grounded in real, everyday conversations.
つまり親しみは本文の言い回しで出すもので、結びの語を崩して出すものではありません。Best regards, のまま、本文を it’s / you’re で書けば温度は上がります。
ただし同じページに、混ぜるなという注意も付いています。
Don’t mix contractions and their spelled-out equivalents in UI text. For example, don’t use can’t and cannot in the same UI.
1通の中で can’t と cannot を混ぜない、ということです。
GOV.UK は英語の結びの語を1件も定めていない(全文検索で0件)
英国政府の GOV.UK スタイルガイド(A to Z of GOV.UK style)は、語ごとの表記を延々と定めた文書です。
ところが結びの語については、項目が存在しません。
実測として、2026-09-16 に A to Z の本文全体を取得して検索したところ、sincerely・faithfully・regards はいずれも0件でした。
同じことは Microsoft 側にも言えます。A–Z word list の r/regards・s/sincerely・t/thanks は、2026-09-16 に叩いた時点でいずれも HTTP 404 でした(同じ階層の p/please は 200 が返ります)。
ここから分かるのは、結びの語の選択が公式ガイドの管轄外だということです。
公式ガイドが定めているのは、その周辺の書式のほうです。
| 署名まわりで迷うところ | 公式ガイドの記述(実測) | 出どころ |
|---|---|---|
| 結びの語そのもの | 記述なし(A to Z 全文で0件) | GOV.UK |
| 大文字にする範囲 | 最初の語と固有名詞だけ(sentence-style) | Microsoft |
| 短縮形(it’s / you’re) | 使って friendly, informal な調子を作る | Microsoft |
| 否定の短縮形(can’t / don’t) | 避ける。can’t ではなく cannot を使う | GOV.UK |
| 署名の email の綴り | 1語(e-mail ではなく email) | GOV.UK |
| 署名のメールアドレス | 省略せず全部書き、小文字、リンクにする | GOV.UK |
短縮形の扱いが、Microsoft と GOV.UK で真っ二つに割れていることに注目してください。企業は親しみを取り、政府は誤読の少なさを取っています。
GOV.UK 側の記述は次のとおりです。
Avoid negative contractions like can’t and don’t. Many users find them harder to read, or misread them as the opposite of what they say. Use cannot, instead of can’t.
どちらが正しいという話ではありません。
相手が企業なら Microsoft 側、相手が官公庁や公共機関なら GOV.UK 側に寄せる。書式は相手の属する世界の作法に合わせる、というのが実務的な結論です。
英語メールの結び早見表|相手と場面から1語を選ぶ
ここまでの辞書の語義とラベルを、そのまま1枚にまとめます。
| 場面 | 選ぶ結び | そう選ぶ根拠(辞書の記述) |
|---|---|---|
| 初めて送る/名前が分かっている(英国) | Yours sincerely, | 宛名を名前で書いたときに使う語(Longman Business・Oxford) |
| 初めて送る/名前が分からない(英国) | Yours faithfully, | Dear Sir / Dear Madam で始めた手紙の結び(Cambridge・Oxford) |
| 初めて送る(米国) | Sincerely, / Sincerely yours, | 友人でも家族でもない相手への一般的な結び(Cambridge Academic) |
| かたい文書/米国の相手 | Yours truly, | formal・mainly US のラベル(Cambridge) |
| 日常のやり取り(既定値) | Best regards, / Kind regards, | friendly but rather formal な終わり方(Longman) |
| スレッド途中の短い返信 | Regards, | short letter or message を終えるときの語(Longman) |
| 感謝が本題の返信 | Thanks, | informal のラベルが付いた間投詞(Cambridge) |
| よく知っている相手 | Best wishes, | a person who you know quite well 向け(Cambridge) |
英語で迷ったら Best regards に戻す
この表のうち、地域ラベルも informal ラベルも付いていないのは Best regards と Kind regards だけです。
英国にも米国にも寄っておらず、親しさの条件も付いていません。
相手の所在も関係の深さも判断がつかないとき、辞書のラベルから見て最も減点の少ない選択がこの2つです。
英語のスレッドでは途中で結びを変えない
1往復目を Yours sincerely, で始めたのに、3往復目で Thanks, に変わる。
これ自体を禁じる記述は、今回調べた辞書にもガイドにもありませんでした。
ただし Microsoft のガイドには、同じ文書の中で表記を混ぜるなという原則があります。
短縮形について書かれた原則ですが、考え方としては結びにも当てはめられます。相手が砕けてきたタイミングで1段だけ下げる、というのが安全な動かし方です。
これは推測を含む運用の話なので、辞書の記述と同じ強さで受け取らないでください。
英語の結びの下に置く署名の書き方
結びの1行が決まれば、その下は事務的に埋まります。
- 結びの語+コンマ、改行して氏名(辞書の例文が全部この形)
- メールアドレスは省略せず全部書き、小文字で書く(GOV.UK)
- email は1語で書く。e-mail とハイフンを入れない(GOV.UK)
- 肩書きは title-style capitalization の対象(Microsoft が Vice President を例に挙げています)
肩書きだけは例外で、Sales Manager のように各語を大文字で始めます。結びの語は小文字寄り、肩書きは大文字寄り。ここが逆になっている署名をよく見かけます。
まとめ|英語メールの結びは、辞書のラベルと宛名で機械的に決まる
英語メールの結びで迷うのは、丁寧度の順位表を探しているからです。
辞書はそんな表を持っていません。
持っているのは、宛名との対応と、formal / informal / UK / US の4つのラベルだけです。
- Yours sincerely=宛名を相手の名前で書いたとき(英国式)
- Yours faithfully=宛名が Dear Sir / Dear Madam のとき(英国式)
- Sincerely / Sincerely yours / Yours truly=米国式のかたい結び
- Best regards / Kind regards=日常の既定値。地域ラベルも親しさの条件も付いていません
- Regards=短い連絡の結び。Thanks=感謝が本題のときだけ。Best wishes=よく知っている相手だけ
署名の上で手が止まったら、自分が書いた冒頭の1行に戻ってください。宛名が決まっていれば、結びはもう決まっています。
英語メールの結びを調べた出典一覧(すべて 2026-09-16 に本文を確認)
- Cambridge Dictionary|regards(phrase [plural] formal・B1 greetings のラベル)
- Cambridge Dictionary|sincerely((yours) sincerely・Sincerely yours・Business English の項)
- Cambridge Dictionary|(yours) sincerely(B1 のレベル表示と例文5件)
- Cambridge Dictionary|Yours faithfully(mainly UK・B2・Dear Sir / Dear Madam の条件)
- Cambridge Dictionary|faithfully(LOYALLY の語義と Yours faithfully)
- Cambridge Dictionary|Yours truly(formal mainly US のラベルと、小文字の idiom)
- Cambridge Dictionary|thanks(exclamation・informal・A1 のラベル)
- Cambridge Dictionary|best wishes(a person who you know quite well/Written greetings の語群)
- Oxford Learner’s Dictionaries|regard (noun)(regards [plural] の語義と With best/kind regards の実例)
- Oxford Learner’s Dictionaries|sincerely(Yours sincerely/North American English Sincerely (yours))
- Oxford Learner’s Dictionaries|faithfully(Yours faithfully が British English であること)
- Oxford Learner’s Dictionaries|yours(英国式と北米式の結びを並べた記述)
- Oxford Learner’s Dictionaries|thanks(exclamation の語義と Many thanks for your support.)
- Longman Dictionary|regards(short letter or message/(with) kind/best regards の但し書き)
- Longman Dictionary|kind regards(formal but fairly friendly letter)
- Longman Dictionary|sincerely(Business Dictionary の Yours sincerely / Sincerely yours)
- Longman Dictionary|faithfully(Business Dictionary の Yours faithfully)
- Longman Dictionary|yours truly(手紙の結びと、おどけた自称の2つの意味)
- Microsoft Writing Style Guide|Capitalization(sentence-style capitalization の原則)
- Microsoft Writing Style Guide|Top 10 tips for Microsoft style and voice(When in doubt, don’t capitalize)
- Microsoft Writing Style Guide|Use contractions(friendly, informal tone を短縮形で作る)
- Microsoft Writing Style Guide|Brand voice(Warm and relaxed / Crisp and clear)
- GOV.UK|A to Z of GOV.UK style(contractions・email・email addresses の項。sincerely / faithfully / regards は全文検索で0件)
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