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「議事録」は英語で minutes なのか。フォーマット8項目と動詞の時制を辞書と公式ガイドだけで組み立てた

「さっきの会議、英語で議事録まとめておいて」と言われて、白紙の1行目で手が止まる。

日本語の議事録なら、日付・出席者・決定事項という型が頭に入っています。

ところが英語になると、そもそもこの文書を何と呼ぶのかという一歩目で詰まります。

  • 議事録は minutes なのか meeting notes なのか、どちらが正式なのか
  • Date と Attendees のほかに、どの項目を立てればフォーマットとして成立するのか
  • 「Aさんが指摘した」を英語にするとき、時制は過去形でいいのか

この記事では、英英辞典の項目と、英国政府および Microsoft が公開している文章ガイドの記述だけを根拠に、英語の議事録のフォーマットを組み立て直しました。

先に結論を書きます。

  • 英語の議事録は minutes と呼びます。複数形で使うのが辞書の立項の形です
  • 複数形なのは「60分の1が積み上がるから」ではありません。語源が「小さく書いたもの=走り書き」で、その走り書きが何枚もあるからです
  • notes は手元のメモ、recap は動詞、summary は要約。どれも議事録という文書そのものの名前ではありません
  • フォーマットの骨は8項目=Date / Attendees / Apologies / Agenda / Discussion / Decisions / Action items / Next meeting
  • 動詞は過去形が基本です。受動態を使うのはapprove・receive・adjourn・minute の4つの決まり文句だけで、中身は能動態で書きます
  • Action item は担当者を主語に置き、期限を文末に置きます。この2つが無い行は議事録に書く意味がありません
  • Apologies は「謝罪」の欄ではなく欠席連絡を出した人の一覧です。辞書がそういう語義とラベルを与えています
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英語の議事録は minutes と呼ぶ。複数形になる理由は語源にある

いちばん大事なところから答えます。

英語で議事録という文書を指す名詞は minutes です。

Cambridge Dictionary は、この語を単数の minute とは別に the minutes という句として立て、品詞欄に phrase [ plural ] と書いています。

語義は「会議で話されたことの、書かれた記録」です。

the minutes|phrase [ plural ]
the written record of what was said at a meeting
Could you take (= write) the minutes, Daniel?
He agreed to circulate the minutes to everyone present at the meeting.

Cambridge Dictionary|the minutes

Oxford Learner’s Dictionaries も同じ語義を [plural] のラベル付きで載せています。

[plural] a summary or record of what is said or decided at a formal meeting
We read through the minutes of the last meeting.

Oxford Learner’s Dictionaries|minute

つまり英語の議事録は、a minute でも the minute でもなく、the minutes という複数形の一かたまりで覚えるものです。

議事録の minute は「60分の1」ではなく「小さく書いたもの」

ここで多くの人が引っかかるのが、時間の minute との関係です。

「1分ごとに記録するから minutes なのだろう」という説明を見かけますが、辞書の語源欄はそう書いていません。

Oxford Learner’s Dictionaries の Word Origin 欄を読むと、時間の minute と議事録の minutes は、同じラテン語 minutus(小さくされた)から別々に枝分かれしたことが分かります。

Word Origin: late Middle English: via Old French from late Latin minuta, feminine (used as a noun) of minutus ‘made small’. The senses ‘period of sixty seconds’ and ‘sixtieth of a degree’ derive from medieval Latin pars minuta prima ‘first minute part’. The sense record of a meeting is from late Middle English (in the singular in the sense ‘note or memorandum’): from French minute, from the notion of a rough copy in “small writing” (Latin scriptura minuta) as distinct from the fair copy in book hand.

Oxford Learner’s Dictionaries|minute(Word Origin)

この欄の言っていることを日本語で言い直すと、こうなります。

  • 時間の「分」は、1時間を最初に小さく割った部分=pars minuta prima という中世ラテン語から来ています
  • 議事録の意味は別ルートで、清書(fair copy)に対する「小さな字の走り書き」=scriptura minuta という発想から来ています
  • もとは単数で「note or memorandum(覚え書き)」の意味でした

議事録が複数形なのは、時間の1分が積み重なるからではなく、覚え書き(minute)が何枚も集まって1つの記録になるからです。

Longman Dictionary の語源欄も、時間の minute について同じ pars minuta prima を挙げています。

Origin: minute (1300-1400) Old French, Medieval Latin minuta, from pars minuta prima “first small part, one sixtieth of a unit”, from Latin minutus

Longman Dictionary of Contemporary English|minute

英語版 Wiktionary は、中世ラテン語の minūta に「60th of an hour; note」という2つの語義を並べて記載しています。

「時間の単位」と「覚え書き」が、同じ語形のまま並んで受け継がれたということです。

議事録を「取る」は動詞の minute でも言える

もう1つ、日本の英語教育ではまず教わらない事実があります。

minute には、議事録に記録するという意味の他動詞があります。

minute|verb [ transitive ]
especially British English: to make an official note of something in the record of a meeting
This discussion is off the record and should not be minuted.

Longman Dictionary of Contemporary English|minute(verb)

ラベルに especially British English とあるので、米国の相手にいきなり使うと堅く響きます。

迷ったら take the minutes を使えば安全です。Cambridge がこの言い方を、わざわざ take the minutes という見出し付きの用例として立てています。

議事録・メモ・要約は別物。minutes と notes と recap と summary を辞書で切り分ける

英語の会議では、この4語が同じ場面で飛び交います。

ところが辞書を引くと、4語はそれぞれ違う品詞と違う語義を持っていて、交換できません。

語品詞(辞書の表示)辞書の語義(要約)議事録づくりの中での置き場所
minutesphrase [ plural ]会議で話されたことの、書かれた記録文書そのものの名前。ファイル名と件名はこれ
notesnoun [ plural ]紙に書かれた情報。take notes で、言われたことの要点を書き取る会議中の手元メモ。清書前の材料
recapverb [ I or T ]説明や描写の要点をくり返す会議の冒頭や末尾で口頭で行うまとめ
summarynoun [ C ]主な事実や考えを伝える、短く明快な記述議事録の冒頭に置く3行の要約欄

この表の根拠を1つずつ確かめます。

notes について、Cambridge は複数形の notes を「紙に書かれた情報」とだけ定義しています。

notes [ plural ] information written on paper
take notes: to write information on paper, especially to record the main points of what someone is saying
At every meeting, his assistant was there taking notes.

Cambridge Dictionary|note

語義に「会議の」も「公式の」も入っていません。notes は、誰の手元にあってもよい私的なメモです。

一方 minutes の語義には、Longman のビジネス英語欄が official(公式の)という語を入れています。

minutes [ plural ] an official written record of what is said and decided at a meeting
The minutes of the last AGM were read.
Will someone take the minutes? (= write down what is said)

Longman Business Dictionary|minute

公式かどうかが、notes と minutes を分ける線です。

議事録の件名に recap と書いてはいけない

recap は、Cambridge では verb [ I or T ] として立項されています。

recap|verb [ I or T ]
to repeat the main points of an explanation or a description
To recap, our main aim is to increase sales by 15 percent this year.

Cambridge Dictionary|recap

用例の To recap, … は、話の途中で要点を言い直すときの決まり文句です。

「repeat(くり返す)」という語が語義の中心にあるので、初めて読む人に向けた記録である議事録の名前としては噛み合いません。

summary のほうは名詞なので件名に置けますが、語義が「short, clear description」です。

短く刈り込むことが summary の仕事なので、発言や決定を漏らさず残す議事録の全体名には向きません。議事録の中の要約欄の見出しとして使うのが正しい置き場所です。

英語の議事録フォーマットは8項目。Date から Next meeting まで

ここからがフォーマットの本体です。

英語の議事録に立てる項目を、それぞれ辞書やガイドの記述と対応させて並べました。

順英語の見出し何を書く欄か根拠にした一次ソース
1Date and time開催日と開始・終了時刻GOV.UK スタイルガイド Dates / Times
2Attendees出席した人。司会は Chair と添えるCambridge attendee / chair
3Apologies欠席の連絡を出した人Cambridge (your) apologies / Oxford apology
4Agenda話す事項の一覧Cambridge agenda
5Discussion各事項で出た発言Cambridge the minutes
6Decisions決まったことCambridge decision
7Action items誰が・何を・いつまでにCambridge action item
8Next meeting次回の日時。閉会の一文を添えるCambridge adjourn

Agenda は Cambridge が「会議で話される事項の一覧」と定義しています。

agenda|noun [ C ]
a list of matters to be discussed at a meeting
The agenda should include an item headed ‘Any other business’.

Cambridge Dictionary|agenda

用例に Any other business が出てくるとおり、議事録の最後に「その他」の枠を1つ置く形は、辞書の用例そのものです。日本語の「その他・議題外」に当たります。

Attendees の欄で司会者を示すときは chair を使います。

chair|the official position of a person in charge of a meeting, official group or organization, or the person themselves
Who will take the chair at the next meeting?

Cambridge Dictionary|chair

Attendees の行に「Sato (Chair)」と書けば、それだけで司会者が伝わります。

議事録の日付と時刻は、英国政府のガイドの書き方に合わせる

フォーマットで最初に事故が起きるのが、いちばん上の日付欄です。

GOV.UK のスタイルガイドは、日付と時刻の書き方を細かく決めています。

Dates: use upper case for months – for example: January, February / do not use a comma between the month and year – for example: 4 June 2017 / use ‘to’ in date ranges and not hyphens, en rules or em dashes
Times: use ‘to’ in time ranges, not hyphens, en rules or em dashes: 10am to 11am (not 10-11am) / 5:30pm (not 1730hrs) / midday (not 12 noon, noon or 12pm)

GOV.UK|A to Z of GOV.UK style

この記述をそのまま議事録の1行目に当てはめると、こうなります。

  • Date: 16 September 2026(月と年のあいだにカンマを打たない)
  • Time: 10am to 11am(ハイフンやダッシュで結ばず to でつなぐ)
  • 正午の会議は midday と書きます。12pm や noon は使いません
  • 海外の参加者がいるなら UK time のように時間帯を添えます。これもガイドに明記があります

10-11am のようなハイフン表記は、英国政府のガイドが名指しで避けるよう書いている形です。議事録の1行目でここを外すと、以降を読む気を削ぎます。

議事録の Apologies が「欠席者」を意味する理由は、辞書のラベルにある

英語の議事録テンプレートを見た日本人が、いちばん驚くのがこの欄です。

Apologies と書いてあるので「誰かが謝った記録」だと読んでしまいます。

そうではありません。

Cambridge Dictionary は、この語を apology とは別に (your) apologies|phrase [ plural ]|formal として独立に立項しています。

(your) apologies|phrase [ plural ]|formal
a message politely telling someone that you cannot be present at their meeting or party
Apologies were received from Phil Baker and Mark Johnson.
Before we start the meeting, do we have any apologies?

Cambridge Dictionary|(your) apologies

Oxford Learner’s Dictionaries も、apology の2番目の語義として同じ内容を、括弧付きの説明まで添えて載せています。

[countable, usually plural] information that you cannot go to a meeting or must leave early
The meeting started with apologies (= the names of people who said they could not go to the meeting).

Oxford Learner’s Dictionaries|apology

2つの辞書が、そろって [ plural ](複数形で)というラベルと「会議に行けないという知らせ」という語義を与えています。Apologies は謝罪欄ではなく、欠席連絡を出した人の名前を並べる欄です。

ここから、議事録に書くときの形も決まります。

  • 欄の見出しは Apologies(単数の Apology にしない)
  • 中身は名前の列挙でかまいません。Oxford が the names of people と説明しているとおりです
  • 文にするなら Apologies were received from … が Cambridge の用例そのままです
  • 連絡なく来なかった人は Apologies に入りません。語義が「知らせ」だからです

連絡なしの欠席をどう書くかについては、今回落とした辞書のどこにも記述がありませんでした。

根拠が無いので、この記事では決め打ちの表現を示しません。Attendees と Apologies のどちらにも名前を書かない、という処理が語義には最も忠実です。

英語の議事録の動詞は過去形。受動態を使うのは決まり文句の4か所だけ

時制の話に進みます。

Cambridge の語義の書き方そのものが、ヒントになっています。

the minutes の語義は「the written record of what was said at a meeting」で、was said と過去形です。

議事録は終わった会議の記録なので、発言も決定も過去の出来事として書く、という理屈がそのまま語義に出ています。

ただし Oxford の語義は what is said or decided と現在形です。どちらも辞書の記述なので、現在形が誤りだとは言えません。実務では、報告する動詞(said / asked / agreed / raised)を過去形でそろえるのが読み手に優しい、というのがこの記事の判定です。

議事録で受動態が生きる4つの決まり文句

受動態は、辞書の用例が受動態になっている場面だけで使うと安全です。

今回落とした辞書の中で、会議の文脈の用例が受動態になっていたのは次の4つでした。

議事録での場面辞書に載っていた受動態の形出典
前回の議事録の承認The minutes of the last meeting were approved unanimously.Cambridge|the minutes
欠席連絡の記録Apologies were received from Phil Baker and Mark Johnson.Cambridge|(your) apologies
閉会・中断The meeting was adjourned until Tuesday.Cambridge|adjourn
記録したという事実The board’s decision was formally minuted.Longman Business|minute

この4つに共通するのは、行為者を書かなくても意味が通るという点です。

承認したのは出席者全員、受け取ったのは事務局、閉会を宣言したのは司会者で、いちいち書く必要がありません。

議事録の本文は能動態が原則。公式ガイドが2つとも同じことを言っている

逆に、本文の中身まで受動態で埋めるのは避けます。

英国政府のスタイルガイドは、Active voice という項目を立てて言い切っています。

Active voice
Use the active voice rather than the passive voice. This will help us write concise, clear content.

GOV.UK|A to Z of GOV.UK style

Microsoft の文章ガイドも、同じ方向の指示を出しています。

Use active voice and indicative mood most of the time. Use imperative mood in procedures.

Microsoft Writing Style Guide|Writing tips

結論=儀式の4行は受動態、中身は能動態。この切り分けだけ覚えておけば、英語の議事録の文体は崩れません。

議事録の Action items は、担当を主語に・期限を文末に置く

英語の議事録でいちばん読まれるのが、この欄です。

Cambridge は action item を、次のように定義しています。

action item|noun [ C ](also action point)
a job for a particular person or group to do following a meeting, a report, etc.
This is the list of main action items arising out of the meeting.

Cambridge Dictionary|action item

語義の中心は a job for a particular person、つまり「特定の誰か1人分の仕事」です。担当者名の無い action item は、辞書の語義の時点で成立していません。

この語義と、さきほどの能動態の原則を重ねると、書き方が1つに決まります。

書き方英文の例判定と理由
主語を置かないIt was decided to check the figures.✗ 誰がやるのかが1文字も出ていない
受動態にするThe figures will be checked by Friday.✗ 担当が消え、by が「〜までに」なのか「〜によって」なのか読めない
動詞から始めるCheck the figures by Friday.△ 全員への指示に読める。1対1の依頼なら可
担当を主語に置くSato to check the figures by Friday 18 September.✓ 担当・作業・期限が左から順に並ぶ

4行目の「名前 + to + 動詞の原形」は、英語の議事録で最もよく使われる圧縮形です。

be動詞を省いた形なので、1行が短くなり、表の1セルに収まります。

期限の日付は、さきほどの GOV.UK の書き方に合わせて 18 September 2026 の順で書きます。

締切を示すときは、GOV.UK が ‘on or before’ を使うよう指示しています。Submit the form on or before 6 September 2025 という用例が、そのままガイドに載っています。

英語の議事録テンプレート。8項目をそのまま埋める実例

ここまでの決まりを、1枚のテンプレートにまとめます。

左の列をそのままコピーして、右の列の形で埋めれば、英語の議事録として成立します。

英語の見出し(そのまま使う)記入の実例守っている決まり
Minutes(文書名)Minutes: Q3 Marketing Review複数形。notes や recap にしない
Date16 September 2026月と年のあいだにカンマを打たない
Time10am to 11am UK timeto でつなぐ。時間帯を添える
AttendeesSato (Chair), Lee, Garcia, Tanaka司会は chair で示す
ApologiesApologies were received from Brown and Wang.欠席連絡を出した人。受動態でよい4か所の1つ
Agenda1. Q3 results 2. Budget for Q4 3. Any other business話す事項の一覧。最後に AOB 枠を置く
DiscussionLee reported that Q3 sales rose by 8%. Garcia raised a concern about lead times.報告の動詞を過去形にそろえる。能動態
DecisionsThe team agreed to move the launch to October.決まったことだけを1文で。能動態
Action itemsTanaka to send the revised budget on or before 25 September 2026.担当が主語、期限が文末
Next meetingThe meeting was adjourned. Next meeting: 14 October 2026, 10am to 11am.閉会は adjourn。受動態でよい4か所の1つ

このテンプレートに出てくる英文は、すべて上で引いた辞書の用例と、英国政府・Microsoft のガイドの記述に対応させて組み立てたものです。思いつきで足した項目は1つもありません。

最後に、議事録を配るときの一言だけ補っておきます。

Cambridge は minutes の用例として circulate(回覧する)という動詞を使っています。

He agreed to circulate the minutes to everyone present at the meeting.
Their discussion was not recorded in the minutes.

Cambridge Dictionary|the minutes

メールの本文は、この用例を借りて I’m circulating the minutes of today’s meeting. と書けば十分です。

議事録を送るメールで、send より circulate を選べる。辞書の用例を1つ持っているだけで、英語の議事録は書き出しから最後の1行まで、全部が根拠のある文になります。

英語の議事録フォーマットを組み立てるときに使った出典一覧

この記事の記述は、すべて次のページの本文に当たって書きました。

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