MENU

英語の日程調整は、どの順番で進めるのか。候補日の出し方から確定・変更の連絡まで、辞書の語義で組み立てた

会議をやることは決まった。相手も乗り気だ。それなのに「じゃあ日を決めましょう」の一通が英語で書けない。

英語の日程調整でつまずくのは、たいてい単語を知らないからではありません。

「どの順番で、どこまで書けば日が決まるのか」を知らないからです。

日程調整は1通で終わる仕事ではなく、往復で終わる仕事です。だから1通ずつの言い回しを集めても、いつまでも日が決まりません。

  • 英語の日程調整は、何通のやりとりで終わらせるのが普通なのか
  • schedule と arrange と set up と book と fix は、どう違うのか
  • 時差のある相手に、時刻をどう書けば読み違えられないのか

この記事では、英英辞典(Cambridge・Oxford・Longman)が各語に付けている語義と、英国政府が公開している GOV.UK スタイルガイドの記述だけを根拠に、日程が決まるまでの往復をまるごと組み立てました。

そのままコピーして使える全文のメールを6通、候補を出す回から延期を告げる回まで並べてあります。

先に結論を書きます。

  • 英語の日程調整は、4往復で終わらせる仕事です。候補を出す・相手が選ぶ・確定を知らせる・必要ならずらす。この4つより増えるのは、たいてい最初の1通で候補を出していないからです
  • 最初の1通で「2つか3つの候補」を出します。Cambridge は suit を「都合がよく、その人にいちばん手間をかけない」と定義しています。選択肢を出す側が手間を引き受ける、という形です
  • 日をずらす語は2つあり、辞書での居場所が違います。reschedule は「新しい日について合意する」語。postpone は Cambridge のシソーラスで cancel や call off と同じ「取りやめ」の仲間に入っています
  • 時刻は GOV.UK スタイルガイドの形に揃えます。範囲はハイフンではなく to、正午は midday、そして国外の読み手がいるときは時間帯の名前を必ず添える、と書かれています
TOC

英語の日程調整は、4往復で終わる仕事だと決めてしまう

言い回しを覚える前に、全体の形を置きます。

英語の日程調整は、候補を出す・相手が選ぶ・確定を知らせる・必要ならずらす、の4往復で閉じます。

この4つには、それぞれ別の役目があります。

往復送るのは誰かこの回で決まること鍵になる英語
①候補を出す自分日時の選択肢が2〜3個そろうWould either of these work for you?
②選んで返す相手どれにするか、または代案Thursday works / Neither suits me
③確定を知らせる自分日時・時間帯・議題が固まるThis confirms our call on …
④ずらす(必要なとき)どちらか新しい日、または新しい日を出す期限reschedule / postpone

英語の日程調整で往復が増えるのは、候補を出していないとき

「いつがご都合よろしいですか」だけを送ると、往復は4回では終わりません。

相手が答えを考える番になり、相手の候補がこちらの埋まっている枠と当たれば、そこからまた1往復増えます。

候補を出す側は、自分のカレンダーという「答えを持っている側」です。答えを持っている側が黙ると、往復はそのぶん伸びます。

例外は、相手の都合のほうが動かしにくいと分かっているときだけです。相手が複数人を集める側なら、こちらが枠を出しても選びようがありません。

その場合の書き方は、この記事の2通目に置いてあります。

英語の日程調整で決めることは、実は3つしかない

往復の中身を分解すると、決めていることは3つです。

  1. いつ=日付と、開始から終了までの時刻と、どの時間帯の時刻なのか
  2. どのくらい=30分なのか90分なのか。これを書かないと相手は枠を確保できません
  3. 何を話すか=議題。ここが空だと、相手は出席者を決められません

この3つが揃った瞬間に日程は決まります。逆に、どれか1つでも欠けたまま往復を重ねると、丁寧な文面のまま日だけが決まりません。

以降の6通は、すべてこの3つが入っているかどうかを基準に組み立てています。

英語の日程調整で使う5つの動詞|schedule・arrange・set up・book・fix

「予定を組む」に当たる英語は1つではありません。

5つの動詞は交換できる同義語ではなく、辞書の語義を読むと、それぞれ違う作業を指しています。

動詞辞書が書いている中身日程調整のどこで使うか
schedule出来事や活動が特定の時刻に起こるように手配する(Cambridge・動詞)すでに決まった予定を告げる。受け身で使う場面が多い
arrange前もって計画する、組み立てる(Oxford)/計画し、準備し、組織する(Cambridge)日程調整そのもの。人と人の間を段取りする
set up催しや活動が起こるように手配する(Cambridge)まだ存在しない打ち合わせを新しく立てる
book席・部屋・出演者などを将来の特定の時刻に確保する(Cambridge)会議室・会場・移動の枠を押さえる
fix時刻・場所・価格などを取り決める、合意する(Cambridge・主に英国)候補の中から1つに決める瞬間

英語の schedule は、受け身で使うことのほうが多い

Cambridge Dictionary は動詞の schedule を、出来事や活動が特定の時刻に起こるように手配すること、と定義しています。

そして品詞表示が verb [ T often passive ]、つまり「他動詞で、受け身が多い」と付いています。

Longman はもっとはっきり書いています。schedule の動詞の項に置かれた文法メモです。

Grammar: Schedule is usually passive.

2つの辞書が同じことを言っているので、schedule は「決まったことを告げる語」だと読めます。The call is scheduled for 8 October. の形です。

そのため、まだ日が決まっていない最初の1通で I would like to schedule a meeting と書くと、語のほうが先走ります。

通じないわけではありません。ただ、まだ相手の同意が無い段階なら、arrange か set up のほうが辞書の語義に合っています。

名詞の schedule にも触れておきます。

Cambridge は名詞の schedule を、予定された活動や、やるべきことを、いつ行うつもりかの時刻や日付とともに示した一覧、と定義しています。

同じ辞書が、米国での「バスや授業の時刻表」の語義には UK timetable という注を付けています。英国の読み手に時刻表の意味で schedule を使うと、一覧表のほうに読まれることがあります。

発音も英米で割れており、Cambridge は英国音を / ˈʃedʒ.uːl /、米国音を / ˈskedʒ.uːl / と並べています。

英語の arrange は段取り、set up は場を新しく立てること

Oxford Learner’s Dictionaries は arrange を、前もって何かを計画する、あるいは組み立てること、と定義しています。

同じ項に、日程調整でそのまま使える型が並んでいます。

Can I arrange an appointment for Monday? / The meeting was provisionally arranged for 9 October. / arrange with somebody (about something)

arrange something for + 日、が基本の形です。Cambridge も arrange something for something の型を立て、The meeting has been arranged for Wednesday. を例に挙げています。

Cambridge の arrange には [ + question word ] の型もあり、We haven’t yet arranged when to meet. という例が付いています。

「まだ日が決まっていない」を1文で言いたいときに、この形はそのまま使えます。

set up のほうは、Cambridge が2つの語義を並べています。

1つ目は、会社・組織・制度・仕事のやり方などを正式に新しく作ること。2つ目が、催しや活動が起こるように手配することです。

2つ目の語義の例文が、そのまま日程調整の文です。

We need to set up a meeting to discuss the proposals.

set up は「新しく立てる」側に重心がある語です。まだ無い打ち合わせを作る回に向いていて、すでにある予定を動かす回には向きません。

英語の book は枠を押さえる語、fix は主に英国の語

book を、Cambridge は「席・部屋・出演者などを、将来の特定の時刻に用意するよう手配すること」と定義しています。

目的語が「席・部屋・出演者」であることが重要です。book の目的語になるのはモノや枠であって、人との合意ではありません。

だから会議室や出張の便を押さえる回には book を使い、相手と日を決める回には使いません。

ただし、人が主語の be booked up は日程調整でよく出ます。

Cambridge の例文は I’d like to go but I’m booked up until the weekend. で、括弧の中に「ほかの予定をすでに入れてある」という注が付いています。

I am booked up until Friday. と書けば、「金曜まで埋まっています」が1文で済みます。

fix については、Cambridge が ARRANGE の語義に mainly UK という注を付けています。

語義は「時刻・場所・価格などを取り決める、または合意する」で、例文は Shall we fix a time for our next meeting? です。

主に英国、と辞書が言っている以上、相手が米国の会社なら set up や arrange に寄せておくほうが無難です。ただし受け身の once the date is fixed は、相手を選ばず通じる形です。

英語の日程調整メール①|候補日を2つ出して選んでもらう

最初の1通です。ここで候補を出せるかどうかで、往復の数が決まります。

Subject: Kickoff call for the Osaka rollout: 6 or 8 October?

Dear Ms. Bennett,

Could we set up a 45-minute call to start the Osaka rollout?

Two slots are open on my side. Would either of these work for you?

- Monday 6 October, 10am to 10:45am Japan Standard Time (JST)
- Wednesday 8 October, 4pm to 4:45pm JST

If neither suits you, send me two or three times that do, and I will take whichever is easiest for your team.

I will send the agenda and the dial-in link once the date is fixed.

Kind regards,
Taro Yamada
Operations, Marubishi Logistics

この1通の中では、動詞を3つ使い分けています。

set up で打ち合わせを新しく立て、suit で相手の都合を聞き、is fixed で「決まったら」を表しています。どれも辞書の語義どおりの持ち場です。

件名に日付を2つ入れているのにも理由があります。

受信箱の一覧で「これは日程の話だ」と分かり、開かなくても候補が見えるからです。件名に候補が見えていれば、相手はスマートフォンからでも一言で返せます。

  • 差し替える箇所=相手の名前/会議の目的(the Osaka rollout)/所要時間(45-minute)/候補の2枠と時刻/時間帯の名前

英語で候補を出すときは either か any of these を使う

候補が2つなら Would either of these work for you?、3つ以上なら Would any of these work for you? です。

either は2つのうちのどちらか、any は3つ以上からどれか、という数の区別に対応しています。

候補は2つか3つが適量です。1つだと選択肢ではなく通告になり、5つ並べると相手が自分のカレンダーと5回照合することになります。

そして「どれも合わなかったとき」の逃げ道を必ず1文入れます。逃げ道が無いと、相手は断るために文章を組み立てることになり、返信が遅れます。

英語の日程調整メール②|相手の都合を聞く(availability と convenient)

相手が複数人を集める側のときは、候補を出さずに枠を聞きます。

Subject: Your availability for a 30-minute review in the week of 13 October

Dear Mr. Alvarez,

Could you tell me your availability for a 30-minute review in the week of 13 October?

Your team holds the figures, so I would rather work around your calendar than send you slots from mine.

Any time between 9am and 6pm Japan time works for me from Monday to Thursday. Friday is difficult, because our monthly close falls on that day.

Two or three options are enough. I will confirm the same day and send the invitation.

Kind regards,
Taro Yamada
Operations, Marubishi Logistics

枠を聞く回でも、自分の空きは先に開示しています。

相手が出した候補がこちらの埋まっている枠と当たれば、そこで1往復増えます。それを防ぐのが「9am to 6pm、月曜から木曜」の1文です。

  • 差し替える箇所=所要時間(30-minute)/対象の週/相手に任せる理由の1文/自分の空き時間帯/空かない曜日と、その理由

英語の availability は「人が空いているという事実」

Cambridge Dictionary は availability に2つの語義を立てています。

1つ目は、あるものが買える・使える・手が届くという事実、あるいはその量。ticket availability のような使い方です。

2つ目が、人が電話に出られる・働けるなど、空いているという事実です。辞書が挙げている例文がそのまま日程調整の文になっています。

I shall check the availability of my staff for that date.

availability は「空いているかどうか」だけを聞く語です。都合がよいかどうか、気が進むかどうかは、この語には入っていません。

だから availability を聞くのは、相手が日程を握っていて、こちらは空いている枠さえ分かれば動ける場面です。

英語の convenient と suit は、同じことを聞いている

Cambridge は convenient を、あなたの目的と必要に合っていて、いちばん手間がかからない、と定義しています。

そして動詞 suit の BE CONVENIENT の語義は、都合がよく、その人にいちばん手間をかけない、です。

2つの語義はほぼ同じ文で書かれています。つまり What time would be convenient for you? と What time suits you best? は、同じことを形容詞で聞くか動詞で聞くかの違いです。

Cambridge の suit の項には、選択肢を2つ示す例文も並んでいます。

Which time suits you better – 12.30 or one o’clock?

辞書の例文がすでに「2択で聞く」形になっています。候補を2つ出すのは、英語として不自然な省略ではなく、辞書が載せている普通の型です。

availability と convenient の使い分けは、次の1行にまとまります。

  • availability=カレンダーが空いているか。事実を聞いている
  • convenient / suit=その時刻で相手の手間が少ないか。都合を聞いている
  • work for you=上の2つをまたぐ、いちばん軽い聞き方。候補を並べた直後に置く

英語の日程調整メール③|確定を知らせる(confirm)

相手が枠を選んだら、確定の1通を送ります。この回を省く人がいちばん多い印象ですが、省くと後で揉めます。

Subject: Confirmed: kickoff call on Wednesday 8 October, 4pm JST

Dear Ms. Bennett,

This confirms our kickoff call on Wednesday 8 October, 4pm to 4:45pm Japan Standard Time (JST). That is 8am to 8:45am in London on the same day.

The calendar invitation is on its way, with the meeting link inside it.

Three items are on the agenda: the migration window, the two open security questions, and who signs off the cutover.

If anything changes on your side, tell me on or before Monday 6 October and I will move the call rather than cancel it.

Kind regards,
Taro Yamada
Operations, Marubishi Logistics

Cambridge Dictionary は confirm の MAKE CERTAIN の語義を、取り決めや会合を、多くは電話や書面によって、確実なものにすること、と定義しています。

定義に「電話や書面によって」が入っています。つまり confirm は頭の中で確信する語ではなく、外に向けて1通出す動作を指す語です。

辞書の例文も、その形で並んでいます。

Please confirm your reservation in writing by Friday. / All bookings must be confirmed in writing. / Flights should be confirmed 48 hours before departure.

3つとも in writing か期限が付いています。confirm は「いつまでに、どういう形で」とセットで使われる語だと読めます。

なお Cambridge は confirm にもう1つ、PROVE TRUE の語義を立てています。

これは、以前は完全には確かでなかった考えや意見が正しいと証明する、という意味です。

同じ confirm でも語義が2つに割れているので、Could you confirm? とだけ書くと「日程を確定してほしい」なのか「事実かどうか確かめてほしい」なのかが宙に浮きます。目的語まで書きます。

英語の確定メールに入れる4点

確定の1通に入れるものは決まっています。

  1. 日付・開始と終了の時刻・時間帯の名前。相手の現地時刻も添えると、相手が計算しなくて済みます
  2. どこで、どうやって=招待が届くのか、リンクはどこにあるのか
  3. 議題=3項目まで。相手が誰を連れてくるかを決められる粒度で書きます
  4. 変更が要るときの期限と窓口=「いつまでに言ってくれれば動かせる」を先に出しておきます

4点目があると、相手は気兼ねなく変更を言い出せます。言い出しにくい空気を作ると、当日の朝に連絡が来ます。

英語の日程調整メール④⑤|日をずらす・先へ延ばす

ここからが、語の選択がいちばん効く場面です。

英語で日をずらすときは reschedule(新しい日まで決める)

Subject: Moving our 8 October call to the week of 13 October

Dear Ms. Bennett,

Could we reschedule Wednesday's call for some time in the week of 13 October?

Our finance team now closes the quarter on 9 October, so on the 8th I would have nothing final to show you.

Two slots are free on my side:

- Tuesday 14 October, 10am to 10:45am Japan Standard Time (JST)
- Thursday 16 October, 4pm to 4:45pm JST

The agenda does not change. I have left the original invitation in place until you reply, so nothing disappears from your calendar by mistake.

Kind regards,
Taro Yamada
Operations, Marubishi Logistics

Cambridge Dictionary は reschedule を、何かが起こる新しい、より後の日付について合意すること、と定義しています。

「合意する」が語義に入っています。だから reschedule と書いた以上、その同じメールに候補日を出すのが筋です。候補が無い reschedule は、語義の半分しか実行していません。

ただし、この語には辞書の間で幅があります。

Cambridge の Business English の項は「何かが起こる時刻を変えること」と書き、later を入れていません。American Dictionary の項も「別の時刻に何かを手配すること」です。

Oxford は、何かが起こるよう取り決められていた時刻を変えること、特にそれがより後になるように、と書いています。

3つを重ねると、reschedule の中心は「後ろへずらす」ですが、前倒しに使っても外れではない、と読めます。前倒しをはっきり言いたいときは bring forward を使います。

Business English の項には、そのまま貼れる型も載っています。

Can we reschedule tomorrow’s meeting for some time next week?

reschedule something for something が型です。to ではなく for を取る点だけ、覚える価値があります。

英語の postpone は、辞書の上では「取りやめ」の仲間

Subject: Postponing the December steering meeting until the audit closes

Dear Mr. Alvarez,

We need to postpone the steering meeting planned for 3 December.

Our external audit now runs to the end of December, and both decisions on the agenda depend on figures the auditors have not released.

I cannot give you a new date yet. What I can give you is a date for the date: I will write on or before 15 December with three options in January.

Nothing else stops. The weekly status report keeps going, and the migration work continues as planned.

Kind regards,
Taro Yamada
Operations, Marubishi Logistics

Cambridge は postpone を、ある催しを遅らせ、より後の日付や時刻に起こるように計画する、または決めること、と定義しています。

ここまでなら reschedule と大きく変わりません。違いは、辞書のシソーラスでの居場所です。

Cambridge は postpone を「to cancel something」という見出しのグループに入れ、cancel・call off・scrap・suspend と並べています。

同じ辞書が reschedule を「Planning, expecting and arranging」に、postpone を「Delaying and wasting time」と「Cancelling and interrupting」に置いています。2語は見ている方向が逆です。

だから新しい日がまだ出せないときに postpone を使うのは正しく、逆に候補日を出せるのに postpone と書くと、相手には「流れた」と読まれることがあります。

型も辞書に出ています。postpone something until something、postpone something for something、そして動名詞を取る形です。

They decided to postpone their holiday until next year. / He postponed the project for a couple of weeks. / We’ve had to postpone going to France because the children are ill.

until のあとには「いつまで」、for のあとには「どれだけの期間」が来ます。until next year と for a couple of weeks の違いです。

Cambridge は postpone の同義語として defer と put something off を、反対語として bring something forward(主に英国)を挙げています。

英語の push back と move は、どこまで言えるのか

口頭のやりとりでよく出る2語も、辞書で確かめておきます。

Cambridge は push something back を、何かを遅らせて、計画されていたより後に起こるようにすること、と定義しています。例文は The target date for construction has been pushed back. です。

語義に「後ろへ」が入っているので、push back は前倒しには使えません。そして Cambridge は postpone と同じ Delaying and wasting time のグループに入れています。

move については、この記事で確かめた辞書に「日程をずらす」だけを切り出した語義は見当たりませんでした。移動全般の語なので、move the call to Thursday のように行き先を必ず添える形で使います。

4つの語の使い分けは、次の表のとおりです。

語新しい日を出すか方向向いている場面
reschedule出す前提(語義に「合意する」)主に後ろ。前倒しも外れではない候補日を2つ添えて送る回
postpone出さなくてよい後ろのみいつになるか未定のまま止める回
push backどちらでも後ろのみ社内の口頭・チャット。期日を後ろへ倒す話
move行き先を必ず書くどちらでも軽く言いたいとき。move it to Thursday

英語の日程調整で、時差と時刻をどう書くか

ここまでの6通は、時刻の書き方を1つの規則で揃えています。

英国政府が公開している GOV.UK スタイルガイドの A to Z に、Times と Dates という項目があり、そこに書かれている形です。

公的機関が全国民向けの文章で使っている規則なので、誤読が起きにくいほうへ倒してあります。社外メールにそのまま持ち込めます。

場面GOV.UK スタイルガイドの書き方ガイドが避けている形
時刻の範囲10am to 11am10-11am(ハイフン・エンダッシュ・エムダッシュ)
時刻5:30pm1730hrs
正午midday12 noon / noon / 12pm
真夜中midnight00:00
所要時間6 hours 30 minutes–
国外の読み手がいるときMonday to Friday, 8am to 5pm UK time時間帯の名前を書かない
日付4 June 2017月と年のあいだのコンマ
日付の範囲10 November to 21 December10 November – 21 December
締切Submit the form on or before 6 September 2025どちらとも取れる書き方

英語の時刻で midnight を避ける理由が、ガイドに書いてある

Times の項で、いちばん実害に直結するのが midnight の扱いです。

Midnight is the first minute of the day, not the last. You should consider using “11:59pm” to avoid confusion about a single, specific time.

ガイドは、その理由を例で示しています。

You must register by 11:59pm on Tuesday 14 June. は一通りにしか読めないのに対し、by midnight on Tuesday 14 June は「月曜13日の終わり」とも「火曜14日の終わり」とも読める、というものです。

締切を midnight で書くと、相手が1日ずれて受け取る余地が残ります。締切は 11:59pm で書きます。

同じ理屈で、正午も 12pm ではなく midday と書きます。ガイドは 12 noon・noon・12pm の3つとも避ける形として挙げています。

英語で JST と書く前に、一度は Japan Standard Time と書く

時間帯の書き方について、GOV.UK スタイルガイドは次のように指示しています。

If the content or service helps users who are outside the UK, include “UK time”. For example, “Monday to Friday, 8am to 5pm UK time”.

読み手が国外にいるなら時間帯を必ず書く、という規則です。日本から海外へ出すメールは、この条件にそのまま当てはまります。

ガイドが示している形が UK time、つまり略号ではなく言葉である点にも注目できます。

同じ A to Z の「abbreviations, acronyms and initialisms」の項には、略号の扱いが書かれています。

The first time you use an abbreviation on a page, explain it in full. You can then refer to it by initials only on the rest of the page.

この項には「説明しなくてよい略号」の一覧も付いていて、BBC・EU・NHS・UK・USA・VAT などが並んでいます。

その一覧に JST は入っていません。ガイドの規則をそのまま当てると、1通の中で最初に出すときは Japan Standard Time (JST) と書き、2回目以降を JST にする形になります。

この記事の6通が、すべてその形になっているのはそのためです。

もう1つ、同じ項に「略号にピリオドを打たない」という指示があります。BBC であって B.B.C. ではない、という書き方です。J.S.T. とは書きません。

英語の日付で、範囲にハイフンを使わない

Dates の項も、日程調整にそのまま関わります。

ガイドは、日付の範囲にハイフン・エンダッシュ・エムダッシュを使わず to を使え、と指示し、tax year 2011 to 2012、10 November to 21 December を例に挙げています。

時刻の範囲も同じ規則です。10am to 11am であって 10-11am ではありません。ハイフンは、フォントや端末によってマイナス記号に見えることがあります。

締切の書き方にも、専用の指示があります。

ガイドは、期限に触れるときは on or before を使え、と書き、Submit the form on or before 6 September 2025 を例にしています。

その日を含むのかどうかを、語の側で消してあります。この記事の確定メールと延期メールで on or before を使っているのは、この指示に合わせたためです。

英語の日程調整メール⑥|相手が出した候補に返事をする

最後は、こちらが選ぶ側に回る回です。

Subject: Re: three slots for the review - Thursday 16 October, 4pm JST works

Dear Ms. Bennett,

Thursday 16 October, 4pm to 5pm Japan Standard Time (JST) works for me. That is 8am to 9am in London.

I have accepted your invitation, so the slot is now blocked on both calendars.

Two things before we meet. I will send the revised plan on or before Tuesday 14 October, and I would like 10 minutes at the end for the budget question you raised in September.

If you need to move it, any morning that week is still open on my side.

Kind regards,
Taro Yamada
Operations, Marubishi Logistics

選ぶ側の1通で大事なのは、選んだ枠を件名に出すことです。

相手は3つ出した側なので、どれが選ばれたかを本文まで開かずに知りたいはずです。件名に日時を入れると、相手はそのまま残り2枠を他の予定に開放できます。

そして最後の1文で、変更の余地を先に開けています。相手に都合が出たとき、こちらから言い出す手間を消しておくためです。

  • 差し替える箇所=選んだ日時/相手の現地時刻/会議前に送るものとその期限/追加したい議題と所要時間/自分の空いている時間帯

英語の日程調整メール6通を、件名と鍵になる語で一覧にする

6通の件名だけを並べると、型が見えます。

回件名の形鍵になる語この回で相手に頼むこと
①候補を出す用件 + : + 候補日2つ + ?set up / work for you / suitどちらかを選ぶ、または代案を出す
②都合を聞くYour availability for + 所要時間 + 対象の週availability2〜3枠を出す
③確定を知らせるConfirmed: + 日時 + 時間帯confirm / on or before招待を受ける(返信は不要)
④日をずらすMoving + 元の日 + to + 移す先reschedule … for新しい候補から選ぶ
⑤先へ延ばすPostponing + 対象 + until + 条件postpone … until次の連絡を待つ
⑥候補に返事をするRe: + 元の件名 + – + 選んだ枠 + worksworks for me残りの枠を開放する

6通とも、件名に「動きを表す語」と「日付か週」が入っています。受信箱の一覧で、どの段階の話かが読み取れる形です。

差し替える箇所も、6通でほぼ共通しています。

  • 相手の名前=Ms. Bennett/Mr. Alvarez の位置
  • 日付と時刻=候補・確定・移す先。GOV.UK の形で書きます
  • 所要時間=30-minute/45-minute の位置
  • 理由の1文=ずらすとき・延ばすときだけ必要。1文で足ります
  • 期限=on or before + 日付の形

この5種類以外を書き換え始めたら、例文を借りるより一から書いたほうが速い場面です。

英語の日程調整でよくある外し方3つ

例文を借りたのに日が決まらない回は、だいたい次の3つのどれかです。

外し方1|英語で候補を出さずに「ご都合いかがですか」だけ送る

Please let me know your convenience. のような1行だけを送る型です。

Cambridge の convenient の定義は「あなたの目的と必要に合っていて、いちばん手間がかからない」でした。

つまり convenient は、相手の手間を減らすための語です。その語を使って相手に全部考えさせるのは、語義と逆のことをしています。

候補を2つ出してから、If neither suits you の1行を足す。これで相手の作業は「どちらかを選ぶ」だけになります。

相手が集める側で候補を出せない場合でも、こちらの空き時間帯は出せます。

外し方2|英語で時刻を書いたのに時間帯の名前を書かない

2番目は、10am とだけ書いて時間帯を落とす型です。

GOV.UK スタイルガイドは、読み手が国外にいるなら時間帯を含めよ、と明記しています。

日本から海外へ出すメールは、この条件に必ず当たります。時刻を書いたら時間帯も書く、が規則です。

相手の現地時刻を併記できるなら、そのほうがさらに固まります。

この記事の確定メールが「4pm to 4:45pm JST. That is 8am to 8:45am in London.」の形を取っているのは、相手に計算をさせないためです。

夏時間のある地域が相手なら、併記した現地時刻のほうが季節で動きます。自分側の時刻を主、相手の時刻を従として書くほうが安全です。

外し方3|英語で postpone と reschedule を取り違える

3番目は、候補日を用意できているのに postpone と書いてしまう型です。

Cambridge が postpone を cancel や call off と同じグループに並べていることは、前の章で見たとおりです。

候補日があるなら reschedule … for … と書きます。postpone は、次がいつになるか言えないときの語です。

逆に、日が読めないのに reschedule と書いて候補を出さないのも外し方です。辞書の語義に「合意する」が入っている以上、相手は候補が来るものとして待ちます。

postpone を使うときは、この記事の5通目のように「次に連絡する期限」を置きます。

日が決められないことと、連絡の期限を決められないことは別です。日付が出せなくても、日付を出す日付は出せます。

英語の日程調整を3行の手順にまとめる

最後に、この記事の使い方を3行にします。

  1. 自分のカレンダーを先に開く。候補を2つ決めてから、1通目を書き始めます
  2. 時刻には必ず時間帯の名前を付ける。初出は Japan Standard Time (JST)、2回目以降は JST です
  3. ずらすときは、候補があるかどうかで語を選ぶ。あれば reschedule、無ければ postpone + 次の連絡期限

英語の日程調整は、丁寧な言い回しを覚える競技ではありません。相手が自分のカレンダーを1回見るだけで返事が書けたら合格です。

その1回を作るのが、候補を2つ出すことと、時間帯を書くことの2つです。

英語の日程調整で引いた辞書とガイドの出典一覧

この記事で引いた語義と記述は、すべて次のページの本文を2026年9月17日に確認したものです。

例文に出てくる会社名と人名は、すべて説明のために置いた架空のものです。実在の企業や個人とは関係がありません。

Let's share this post !

Author of this article

Comments

To comment

TOC